中国共産党は、少数民族の文化に対する破壊が海外にも及んでおり、フランスのナント歴史博物館は10月12日の声明で、モンゴル民族の文明と歴史を消滅させようとする中国共産党政権の干渉が続いていることを理由に、人間の道徳的価値観と倫理を守るため、中国と協力して開催する予定だった「チンギス・カンとモンゴル帝国」の大型展覧会を中止すると発表した。
ナント歴史博物館と中国の内モンゴル博物館は、モンゴルの歴史を研究し、チンギス・カンに関する展覧を行うために、長年協力してきた。同博物館は12日、「チンギス・カンとモンゴル帝国」展覧会の準備以来、「チンギス・カン、帝国、モンゴル語」などの字句を展覧から削除するよう要求してきただけでなく、展示の文字、地図、図録、通信資料などの管理をも要求し、絶えず干渉されてきたと述べた。
ナント歴史博物館は、中国共産党政権が公式の「民族復興」計画に服するために展覧会を検閲し、モンゴル民族の歴史と文化を改竄し除去しようとしたことを非難した。同館は、歴史学者や専門家と協議した結果、道徳的価値観や倫理を守ることを決め、協力を中断したという。
ナント歴史博物館はまた、新たに展覧会を2024年10月に開催し、欧米各国の博物館からモンゴルの歴史的文物を借用して初期に計画した展覧テーマを維持すると発表した。
これに対し、イギリスに滞在している香港の政治家である羅冠聡氏はフェイスブックの投稿で、モンゴル民族が直面している「文化の破壊」は、ウイグル人強制収容所に続いて中国共産党の残虐行為に対する国際的な注目を集める、次の「導火線」になることは間違いないと述べた。また、中国共産党政権が香港人の言葉や文化、歴史を同じような手法で消してしまうのではないかと外界から懸念されている。
羅冠聡氏はネットユーザーに対し、さらにより多くのフランスの政界関係者に参戦させ、中国共産党の残虐行為を非難するために、この事を広めるよう呼びかけた。
中国には約650万人のモンゴル人がいるという。9月上旬、中国共産党政権は内モンゴルで新たな言語教育政策を実施し、中国語教育を大幅に増やし、モンゴル語の教材を削減すると発表したため、モンゴル人から強い抗議の声が上がっている。
香港の政治家である羅冠聡氏のフェイスブック投稿:
(翻訳・藍彧)