ロシアの科学者チームは9月12日、シベリアの永久凍土から14万年前の氷漬けにされたホラアナグマ2頭を発掘したと発表した。毛髪や内臓、軟部組織などがそのまま残っており、まるで熟睡しているかのような状態だった。この発見は絶滅したケナガマンモスの捜索にも役立つ可能性がある。
英紙デイリー・メールによると、気候温暖化に伴うシベリアの永久凍土の融解により、地中深くに埋もれていた先史時代の動物の遺骸が徐々に明らかになってきているという。今回発見されたアナグマも長期間氷に覆われていたもので、その遺骸は完全に保存されており、歯以外に毛髪、鼻、内臓などはもちろん、軟部組織まで確認することができる。
写真を見ると、ホラアナグマの口元は微笑んでおり、まるで眠っているかのようであった。科学者のレナ・グリゴリエバ氏によると、ホラアナグマはこれまで頭蓋骨と骨しか発見されていなかったため、これは「世界にとって非常に重要な発見」であり、ホラアナグマの研究を通じて、氷河期の肉食動物や絶滅したマンモスのDNAを発見することが可能になるだろうと話した。
ホラアナグマはヤクーツクの北東連邦大学(NEFU)に送られており、放射性炭素分析で正確な生息年代が確認されると期待されている。
ホラアナグマは30万年前から1万5000年前までユーラシア大陸に生息していた先史時代の動物で、ホッキョクグマやヒグマの親戚だったという。しかし氷河期末期の気候変動は植物相を劇的に変化させた。ホラアナグマは、氷河末期に森林が減少したことにより、大きな影響を受けた。寒冷な草原では十分な食料を得ることができず、やがて姿を消してしまった。
(翻訳・林華)