米商務省は、中国最大のチップメーカーSMIC(中芯国際集成電路製造有限公司)に対し、各大手企業に輸出規制措置を実施するよう通達した。米国の制裁を受け、SMICは経営が難航すると予測される。
米メディアの報道によると、米商務省が9月25日に出したコンピューターチップ業界に向けた書簡によると、SMICへの輸出が「軍事的用途」に転用される可能性があり、「受け入れられないリスク」をもたらす可能性があるという。同文書はSMICへの輸出には個別の輸出許可申請を義務付けた。
SMICは業界トップのTSMC(台湾積體電路製造股份有限公司)に次ぐ中国半導体受託生産最大手である。SMICのウェブサイトによると、SMICは上海、北京、天津、深圳、香港、台湾、日本、米国、欧州で事業を展開しており、Huaweiのチップサプライヤーでもある。
ニューヨーク・タイムズによると、SMICは中国政府の支援を受けており、中国で最も技術的に進んだファウンドリであるが、その製造プロセスはサムスンやTSMCなどのファウンドリに比べて技術が数年遅れているという。つまり、SMICが最新かつ最も要求の厳しいアプリケーションをサポートできる複雑なチップを製造することができないことを意味する。低レベルチップの生産にしても、SMICは米国企業のソフトウェアや機械設備への依存度が高い。
自由時報は、投資銀行ジェフリーズの分析を引用して、SMICの設備の半分は米国のサプライヤーからのものになると予測している。これらの米国のサプライヤーがこれ以上SMICのためにサービスを提供し、製造設備をグレードアップできないと、SMICは事業経営を継続できなくなる可能性がある。
それだけでなく、米国の制裁は北京当局が中国の半導体産業を発展する計画にも打撃を与える可能性がある。米国戦略と国際問題研究センターによると、2019年に中国で使用されるコンピュータチップのうち、本土で生産されたのは16%のみという。
(看中国記者・端木珊/翻訳・藍彧)