2019年11月28日に、中国農業科学院蘭州獣医研究所の学生と職員の血清からブルセラ抗体の陽性が検出された事件で、発症者の多くは1年近く経っても症状が緩和されず、慢性疾患になっている。
中国の公式文書によると、2019年7月24日から8月20日にかけて、中牧蘭州バイオ医薬品工場が、動物用ブルセラワクチンの製造工程で期限切れの消毒剤を使用したため、ブルセラ菌が拡散された。当時の東南風により、ブルセラ菌が中国農業科学院蘭州獣医研究所の方に飛散したため、ブルセラ抗体陽性事件が発生した。甘粛省衛生委員会の公式サイトの2020年1月14日の発表によると、2019年12月7日、蘭州バイオ医薬品工場のブルセラワクチン製造工場が稼働停止した。
ブルセラ症とは、グラム陰性細菌であるブルセラ属 Brucella細菌のいくつかの菌種によって引き起こされる感染症で、発熱と全身症状が特徴である。ブルセラ症は主に、感染した動物に接触するか、汚染された無殺菌の牛乳や乳製品を摂取したり、加熱調理が不十分な汚染された肉を食べたりすることで感染する。
中国紙「健康時報」によると、2019年11月28日に中国農業科学院蘭州獣医研究所でブルセラ抗体陽性者が確認された当初、わずか4人だった感染者が、2020年9月14日時点で3,245人にまで増加し、政府の予測を大きく上回っている。
しかし、現状で政府は感染者のための措置を全く講じていない。 感染者は「ブルセラ抗体陽性」の検査結果の宣告のみで、政府にブルセラ症を患っていると認められていない。多くの感染者は腰椎の痛み、疲労、手指の腫れ、重度の不整脈などの症状を訴えている。
今年7月、多くの感染者が政府主催の検査を受けたが、検査機関によると、検査結果は関係機関に報告されるのみで、公表はされないとのこと。
感染者の多くは、医師たちがなぜ感染状況を明らかにしないのかと困惑している。次の治療の必要性や継続的な観察の必要性さえも明かされていない。
(翻訳・藍彧)