人々の心が愛で満たされた時、この世界はより素晴らしく変わります。これは、東アフリカのケニアの首都ナイロビで起こった感動的な話です。
両親に捨てられたケニア出身の少年ジョン・トゥオ(John Thuo)は、祖母と6人の兄弟と一緒に暮らしていました。貧乏だった彼は、いつも路上で物乞いをして暮らしていました。信号が赤になるたびに、ジョンは信号待ちの車に駆け寄り、窓をノックして「食ベ物を買うお金を頂けませんか?」と丁寧にドライバーにお願いしていました。
ある日、一台の車の窓をノックしたジョンは、車内の様子を見て驚きました。一人の女性が様々な大型機械に接続されたチューブに体を覆われていたのです。ジョンは、「チューブは何のためにあるのですか?」と女性に尋ねました。グラディス・カマンデ(Gladys Kamande)という名前のその女性は、自分の状況をジョンに説明してくれました。
「これらの機械は全て、私が生きるために欠かせません! 今、私は32歳で「気胸」を患っており、これまでに12回の手術を受けました。常に酸素タンクと発電機を携帯する必要があり、こんな生活を7年も続けています。気胸の治療を専門にしているインドの病院にも問い合わせましたが、治療には莫大な費用が必要で、今持っているお金では足りません」とグラディスさんは言いました。
更に彼女は、「手術中に視神経が損傷を受け、夜には完全に目が見えなくなってしまうため、昼間にしか外出できないのです」と話しました。
ジョンの目には涙が溢れていました。「彼女の生活は、自分の生活よりもずっと大変だ」と気付いたジョンは、泣き出してしまいました。彼は「私にできる事がありますか?」とグラディスさんに尋ねました。
ジョンの優しさに感動したグラディスさんは、彼の手を取って「一緒に祈りましょう!」と言いました。祈りを終えた後、ジョンはその日もらったチップを全てグラディスさんに渡しました。
ジョンとグラディスさんの会話を聞いて感動した近くにいた人が、彼らの話と写真をソーシャルメディアにシェアして寄付を募りました。この話は多くの人の心を動かし、わずか4日間で8万ドルもの寄付が集まりました。募金の発起人はジョンとグラディスさんに均等にお金を分けようとしましたが、ジョンは一銭も受け取らず、グラディスさんがインドで治療を受けられるように、全てのお金を譲りました。
その後、グラディスさんは、自分の人生を変えてくれたジョンの優しさに感謝して、彼を養子として家に迎え更に人々を感動させました。通りで物乞いをする必要が無くなったジョンは、現在、普通の子供と同じように学校に行き、お互いを思いやる家族を得ました!
(翻訳・玉竹)