チェコ上院議長ミロシュ・ビストルチル氏は先日台湾を訪問し、中国の王毅外相を「チェコに代償を払ってもらう」と怒らせた後、チェコで有名なピアノメーカーであるペトロフ社が、総額530万チェコ・コルナ(約2500万円)相当の注文取引を中国にキャンセルされた。ニュースが出ると、チェコの富豪カレル・コマレック氏(51歳)がピアノを購入し、チェコの学校に寄贈した。
ペトロフ社のスザンヌ・ペトロフ社長はこのほど、530万チェコ・コルナ(約2500万円)相当の注文が、北京の顧客から「チェコ製品に対する制裁の噂があり、罰金を払う余裕がない」と言われ、突然キャンセルされたと述べた。中国市場はペトロフ社のピアノ総販売量の35%を占めており、同社はチェコと中国の関係悪化によって、会社業務に影響することを懸念している。
チェコメディア「iROZHLAS」の報道によると、コマレック氏夫妻は、ペトロフ・ピアノの販売取引が中国に拒否されたことを知り、チェコの誇りと結束力のシンボルになることを願って、基金の名義で11台のピアノを購入し、チェコの学校に寄贈したという。コマレック氏は、「チェコは成功している国だが、もっと重要なのは自由な国であるということだ。これは私個人として一番重視していることであり、この小さな行動で同胞にこのことを思い出させたい」と強調した。
コマレック氏は、1990年代にチェコ共和国で石油・天然ガスの事業でキャリアをスタートさせた。約38億ドル(約4,033億円)の資産を持ち、今年度国内第3位の富豪として知られており、2020年のフォーブスランキングの億万長者の一人である。2010年に自分の投資グループKKCGを設立した。KKCGは現在、娯楽、情報技術、不動産、生物医学に投資している。2016年にSazkaグループを設立し、瞬く間にヨーロッパ最大の宝くじの所有者になった。
ペトロフ社はコマレック氏の寛大さを賞賛し、中国の制裁トラブルを迅速に処理できたコマレック氏の決意に驚き、ピアノがチェコ共和国の学校に寄贈されたことに嬉しく思うと述べた。
(翻訳・藍彧)