警察官が抗議者を逮捕している(YouTube動画のスクリーンショット)

 内モンゴル自治区で、中国当局の中国語教育推進に対する抗議活動が続いている。海外のモンゴル人によると、中国共産党は「中国語教育を反対することは国家を転覆することに等しい」とし、内モンゴルに対する取り締まりを強化し続けているという。数百人のモンゴル族が逮捕され、抗議のために辞職したモンゴル族の公務員もいた。

 中国語教育推進に反対するため、モンゴル族は子供を学校に行かせないようにしている。中国当局は、学生を登校させるために、様々な方法で強要や脅迫している。内モンゴル自治区正藍旗のローカル紙「上都新聞」9月6日の報道によると、子供を学校に行かせない2人の正藍旗課長級幹部が停職処分を受け、停職期間中に給与が一切支給されないという。

 巴林右旗の中国共産党党委員会事務所は、管轄範囲内のすべての公務員と公的機関職員に9月7日に必ず子供を登校させなければならいと警告した。従わない者は無給停職、さらには解雇の処分を受けるとのこと。

 海外在住のモンゴル人諾民(ノーミン)氏は、中国当局はすべての教師に生徒を学校に連れ戻すよう命じたことを明らかにした。諾民氏はラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材で、各地当局は教師一人一人に、何人の生徒を連れ戻すという任務を課していることを話した。さらに政府関係者は『政府に法律の話をしても無駄です。これは政治的任務です。バイリンガル教育に反対するのは(政府を)転覆するのに等しいです』と言ったと伝えた。

 諾民氏はまた「中国当局は抗議者の取締りを強化している。通遼市、オルドス市ではそれぞれ100人以上が逮捕され、ほかの地域でも抗議する人や、真実を報道するメディア関係者も逮捕された」と述べた。

 モンゴル族人の阿日査(アリカ)氏は、内モンゴル地方当局が各地で逮捕を行い、情勢緩和の兆しが見えないと述べた。「ここ数日、哲盟、シリンゴル盟、赤峰で、西にはオルドスやバヤンホトなど、多くの地方の公安機関は容疑者の指名手配を出し、指名手配された人は何百人もいた。中にはウィチャットグループで、言語教育政策への不満を表明する署名活動をしたため、10日間拘留された人もいるらしい」と語った。

 弾圧されても抗議は続いている。日本在住のモンゴル人の忽必斯(クビス)氏によると、政府の様々な脅迫で、一部の公務員は子供を登校させるようになったが、内モンゴルの多くの旗・県の保護者たちは引き続き子供を登校させないようにしている。

 諾民氏によると、モンゴル族公務員には、抗議のため自主辞職をした者もいた。中には刑事警察隊の隊長や、幼稚園の園長、学校の校長、正藍旗副旗長などを含む。抗議を続けるため退職させられた中学校の校長もいた。

 ネットでは、一部のモンゴル族の公安警察が病気休暇を取ることで当局に抗議したという報道も流れている。

(翻訳・藍彧)