8日から今年10号台風「ハイシェン(海神)」が中国東北部に入ってきた(中国気象庁)

 中国気象庁によると、8日から今年10号台風「ハイシェン(海神)」が中国東北部に入ってきたという。1949年に中国共産党の政権樹立以来、東北部で初めて半月に3回連続で台風に見舞われるのは非常に希なことである。

 韓国気象庁によりると、「ハイシェン」は7日午前8時に蔚山沿岸に上陸し、午後には海上に出て北上し、夕方に北朝鮮に再上陸し、深夜には中国東北部に入る見込みという。

 中国水利省は7日の会議でも「ハイシェン」が8日未明に吉林省の境内に入り、8日夕方には黒龍江省に入り、徐々に温帯低気圧に変わる見通しという。

 しかし、今後3日間は「ハイシェン」と冷たい空気の影響で、遼寧省東北部、吉林省の大部分、黒龍江省中部南部などで豪雨、局地的に激しい雨が降る見込みという。低気圧に変わる影響で、中国の南部にも中から大雨がふり、広西チワン族自治区、四川省南東部などの地方では大雨が降るでしょう。

 また、遼寧省、吉林省、黒龍江省、広西チワン族自治区および貴州省の河川が大幅に増水する見込み。そのうちの東北部の遼河上流、嫩江下流、第二松花江下流などの主要河川は、警戒レベルを超え、豪雨地域内の一部の川で大きな洪水が発生する可能性がある。

 これに対し、中国気象ファン微博(ウェイボー)の「中国気象愛好者」はこのほど、東北部は台風8号「バービー」、台風9号「メイサーク」に襲われたが、10号台風「ハイシェン」の襲来は1949年の中国共産党政権樹立以来、東北部は初めて半月に3回連続で台風に襲われたという。その頻度と影響範囲は歴史上でも異例なものである。

 過去10日間の資料を調べてみると、8号台風と9号台風は相次いで東北地方に影響を与えた。特に9号台風は影響範囲が広く、風や雨が強さなっている。吉林省、黒龍江省及び内モンゴル自治区東北部は7~8級の風が吹き、局部は9~10級に達している。吉林省と黒龍江省は49の国家レベル観測所の1日の降水量は9月の歴史的な値を突破した。現在、東北地方の降水量は平年同時期より1倍以上、黒龍江省南部、吉林省中西部は4倍以上になっている。

 専門家は、今回の台風は、東北地方では中小河川の洪水、都市や農村の浸水、山津波や地質災害などが発生する可能性があることを警告した。また、農業生産にも影響があり、特に初期の冠水や作物が倒れた農地の被害は深刻化すると指摘した。

(看中国記者・黎小葵/翻訳・藍彧)