グーグルが人工知能の軍事利用を禁じたばかりだが、軍用研究はとどまるどころかますます進展している。カリフォルニア大学のジェームス・ジムズワスキー教授は「ナショナル・ディフェンス」誌の記者に対し、米国国防高等研究計画局(DARPA)が開発した「人工頭脳」が軍事利用されるのではないかと懸念を示した。この「人工頭脳」は独立した思考ができるとされ、形も人間の脳にそっくりだ。この技術によりロボットはあらかじめ指令を受けなくても自動で行動できるようになる見通しだ。

 この「人工頭脳」をロボットに搭載すれば人間によるコントロールは不要となり、ロボットは自ら山を越え川も渡ることができる。ペンタゴンがこの人工頭脳を兵器に使用すると断言することは現時点では困難だが、米国国防高級研究計画局が開発したロボット技術の多くはロボット兵士を目的としているため、この技術が軍事利用されても誰も驚かないだろう。

 シェフィールド大学で人工知能とロボットを研究するノエル・シャーキー(Noel Sharkey)氏は米国政府が研究を進める「人工頭脳」が殺戮に使われるのではないかと複数回警告してきた。「(人工頭脳を搭載した兵器は)疑いなく平民を殺す可能性があります。なぜなら、それは平民と兵士を区別できないからだ」。先月、軍事作家のダグラス・プレオ氏も「近い将来、人間を追跡すると殺すに使われる冷酷なロボット殺し屋は人間に脅威をもたらす。」と警告した。

(翻訳・時葦瑩)