この世には「輪廻転生」の伝説があり、「六道輪廻」という説もある。現世での善行や悪業の報いにより、来世での幸福や不幸が決まると伝えられている。しかし、現世は人であっても、前世また来世が人だとは限らない。中国湖南省の通道トン族自治県懐化坪陽郷には100件以上の「再生人」の実例があり、この説の信憑性を証明している。
坪陽郷は部外者が訪れることが少ない地域で、一族の人口は7800人余りで、『万物有霊』を信仰している。 調査統計によると、現在でもこの地域には、古くから「再生人」と呼ばれている転生者が、100人以上存在している。
地元の50歳の女性、石尚仁氏は輪廻転生の典型的な人物だ。 2、3歳の頃には、前世の自分の名前や住んでいた場所、前世の親戚や娘の名前などが自然とわかっていたそうだ。 また、前世の自分は3日間高熱を出した後、24歳で亡くなったという。実地調査によると,彼女の言った事は全て事実と一致していた。
石尚仁氏が11歳の時、前世の親戚に会いに行ったところ、親戚らは皆、「前世の彼女と石氏がとても似ている!」と感じたそうだ。 それ以来、彼女らは親しくなり、2歳年上の前世の娘は今でも「お母さん」と呼んでいるという。 しかし、前世の鮮明な記憶が、石尚仁氏に二つの家族を与える結果になり、彼女を悩ませている。 また「子供の頃から、前世の大人の感情を持っていたので、子供の頃、子供時代が無かったようで、感情的に苦しめられた。とても厄介だった」と彼女は語った。
更に坪陽郷には「豚から転生した少年」が世間を騒がせた事例もあった。村人が譜頭寨と呼ぶ所に、「前世が白豚だった」と主張する呉という姓の少年がいた。
この少年の母親である陸居桃氏によると、彼が1歳を過ぎ言葉が話せるようになった時、「自分は豚だ」と話したが、最初は誰もが子供じみた話だと思っていた。 その後、少年は豚の食べる草を選ぶ人に、「この草は美味しくないから、取らない方が良い」と言ったり、肉屋の容氏を見るたびに泣きながら必死に家に駆け込んでいったりした。 村の人々は、それを非常に奇妙に感じ少年に理由を尋ねた。 少年の話によると、前世で少年は祖父の家で育てられた大きな白豚だったが、肉屋の容氏に買われて殺されたという。 容氏はそれを知って以来、殺生をしなくなった。
坪陽郷には100件を超える輪廻転生の例があり、このように輪廻現象を体験した集団は、稀だが確実な存在であり、今の世界の「魂の連鎖」を信じない人々へ対する警戒だ。 来世の存在や因果応報を信じない人は、豚から人間へ、人間から動物等への「六道輪廻」をどう思うのだろうか?
(翻訳・林華)