今年11月に行われる米大統領選が近づく中、米国の主流メディアには、大統領候補・元米副大統領ジョー・バイデン氏に比べ、トランプ大統領へのネガティブな報道が150倍もあることが明らかになった。
米メディア規制機関「メディア・リサーチ・センター(MRC)」傘下のニューバスターズ(NewBursters)が、MRCのリサーチ・ディレクターであるリッチ・ノイエス(Rich Noyes)氏の記事を掲載した。
ノイエス氏によると、武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症)の蔓延に伴い、3つの大手メディアの夕方ニュースは、今視聴率が最も高い番組の一つである。つまり、数百万人のアメリカ視聴者が、現代メディアの歴史上最も偏った大統領選のニュース報道や評論を見ていることを意味するという。「35年以上マスコミと選挙報道を研究してきました。本当にこのようなことは一度もありませんでした」
MRCは6月、7月におけるトランプ氏とバイデン氏に関するすべての夕方ニュースを調査分析し、メディアの関心はトランプ大統領に集中しており、トランプ大統領にまつわるネガティブな報道がほとんどだという。そのため、バイデン氏はメディアによる過去の職歴・左翼政策・性格などの詮索から逸脱できた。
6月1日から7月31日まで、ABC(アメリカン・ブロードキャスティング・カンパニー)、CBS(コロンビア放送会社)、NBC(米全国放送会社)の夕方のニュースはトランプ氏に対するニュースと評論が512分にも及び、バイデン氏の58分より9倍も長い(トランプ氏自身とは関係のない一般政策は含まれていない)。春シーズンにおけるトランプ氏のネガティブな報道がバイデン氏の7倍になっている。
この2ヶ月間、MRCアナリストのトランプ氏への評論が668件記録しており、そのうち95%(634件)がマイナス評価で、5%(34件)のみがプラスの評価だった。同じ統計方法を用いて、バイデン氏についての評論は非常に少なく、わずか十数件で、そのうち3分の2(67%)がプラスの評価だった。
統計の結果、アメリカの視聴者は、トランプ氏へのマイナス評価をバイデン氏より150倍も多く受け入れていることになる。これらは実際はニュース報道というより、競争相手を攻撃する選挙広報活動である。
夕方ニュース番組が自由主義メディア(ケーブルテレビ、大手新聞など)を左右する指標であるとすれば、いわゆるジャーナリストやメディア関係者らがいかなる審査も受けていないことを意味する。例えば、今年の春、ハイデン氏の事務所に勤めていたタラ・リード(Tara Reade)氏が1993年にバイデン氏から性的暴行を受けたという告発は、6月と7月の夕方ニュースから完全に消えていた。
バイデン氏は自身の政策がオバマ政権よりも左寄りであると公言しており、各種政策について述べた報道がわずか5分22秒しか放送されなかった。ハイデン氏に対するニュースメディアの分析やコメントも僅かだった。
(看中国記者・聞天清/翻訳・藍彧)