8月16日にはタイで学生ら1万人規模での抗議デモが行われた。(イメージ:YouTube動画のスクリーンショット)

 タイで学生運動が勃発してから1ヶ月以上が経過し、8月16日には学生ら1万人規模での抗議デモが行われた。この規模のデモは2014年の軍隊によるクーデター以来で、最大の規模となった。学生らは、『国会の解散』、『野党への不当な干渉の中止』、『憲法改正』の3つを求めている。

 今年2月、プラユット政権を批判し若者の支持を集めていた野党「新未来党」が、裁判所の判決で解散したことで、学生の抗議行動が勃発した。今回のタイの学生運動は、「世代間の衝突」とも言われている。タイ政府の役人が「若者達の生き方は自由過ぎる」と公言したため学生達の不満を買い、学生達は「国を動かしている“長老達”は若者の話に耳を傾けていない」と指摘した。

 海外メディアは、タイの学生達はインターネットを通じて参加者を集め、日本アニメ「とっとこハム太郎」の歌詞「大好きなのはひまわりの種」を「大好きなのは納税者のお金」と替え歌にして政府の腐敗を揶揄し、「タイの国民はハムスターのように操られる生活をしたくない!」と訴えていると伝えた。

 又、 映画「ハンガー・ゲーム」に登場する「3本指ジェスチャー」は、タイの若者の間で抗議のシンボルとなっており、22歳の学生リーダー、パリット・チワラク(Parit Chiwarak)氏が8月14日に警察に拘束された際に3本指ジェスチャーを掲げている画像がネット上で拡散している。

 これらのタイの学生達は、香港や台湾の民主化運動家と共に民主主義と自由の追求への道を象徴する「ミルクティー同盟」を結成した。また、世界各地で続々と応援活動が行われている。例えば、台湾在住のタイ人は台北駅に集まり、タイの民主運動への支持を示した。

 タイで学生運動が勃発して久しいが、現在の勢力を外部から分析しても、政府を揺るがすほどではない。しかし、注目に値する。

(翻訳・藍彧)