中華民国海軍の軍艦(イメージ:Facebook動画のスクリーンショット)

 中国軍は最近、台湾海峡での動きを活発化させており、中国東部戦区の報道官はさらに、台湾海峡の北端と南端で実戦演習を行うと発表した。米CIAのモレル元副長官はこのほど、中国共産党が来年初めの米国大統領の交代期間中の3日間に「台湾を武力で侵攻する」可能性が高いとの分析を発表した。

 米大統領選挙は今年11月3日に行われる予定で、来年1月20日には新大統領の宣誓が行われる。

 アメリカ海軍研究所 (U.S.Naval Institute)の機関誌「Procesediings(意訳:議事録)」は今月、マイケル・モレル元副長官とジェームズ・ウィンネフェルド元統合参謀本部副議長が連名で発表した文章を掲載。両氏は、中国共産党は今年末から来年初めにかけての米国大統領の交代期間を利用して、米国の政策決定システムが通常より脆弱なときに、台湾への武力侵攻を開始する可能性があると分析する。

 文章によると、中国の習近平総書記は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の発生と米中関係の悪化という内憂外患に直面しており、2023年の任期到来前に「政治的勝利」を獲得することが喫緊の課題となっている。台湾の武力侵攻は最高のアピールポイントとなる。北京は米国の大統領選とそれに伴う引継ぎの期間を、台湾問題を「解決」する絶好のチャンスと見なしていると文章は強調している。

 さらに、北京が今年12月に台湾海峡の緊張を意図的に高め、中国の東部海域で大規模な軍事演習を実施することで、翌年1月18日に澎湖、金門、馬祖などの台湾の離島を占領する予行演習をすることができると予測している。

 また、中国共産党が台湾の離島の奪取に成功すれば、中国海軍は台湾海峡の南北の入口を封鎖し、台湾東部海域に軍事力を配備して米海軍に対抗し、台湾を完全に封鎖することになるという。同時に、中国共産党は一連の武力攻撃とハッカー攻撃によって、台湾のメディア、送電網、軍事施設などの重要設備を麻痺させる。また、日本や韓国など東アジアなどの隣国に、台湾や米国を支持しないように脅す「戦狼外交」を開始するとされている。

 米国の警告と中国共産党の脅しに対し、台湾の王定宇議員は16日、フェイスブックに台湾軍の軍事演習の映像を投稿し、「平和は自分の実力によるもので、敵の善意によるものではない」と述べた。

 王定宇氏はまた、戦争に勝者はない、台湾は決して戦いを求めないが、侵略された場合、澎湖、厦門の境界線が中国共産党の解放軍の終着点となるだろうと述べた。

中華民国の軍事演習の映像:

(翻訳・藍彧)