駐中国米大使館のTwitterのアイコン(左:古いアイコン、右:新しいアイコン)(イメージ: 看中国・合成写真)

 8月10日は、米国のアレックス・アザール(Alex Azar)厚生長官が中華民国の蔡英文総統と会談する日だった。

 今回の米台首脳会談は、1979年の米国と中華民国との断交以降、台湾を訪問する最高位の閣僚であった。この動きは北京の神経を刺激した。

 アザール氏が蔡英文総統と会談する1時間前、中国政権は「香港国家安全法」違反を口実に、壱伝媒の創業者黎智英氏とその2人の息子、壱伝媒の幹部数名、香港衆志の元秘書長の周庭氏を含む、いわゆる「香港の反逆者」10名を逮捕した。

 国際社会は自由を求める香港人を応援しており、マイク・ペンス米副大統領と米国務省は、相次いで黎智英氏らの逮捕について強く非難した。そんな中、気になることがもう一つあった。8月10日に北京の米国大使館がWeChatとTwitterのアイコンにある「北京・中国」を変えた。北京だけを残して中国という言葉を削除したことが話題になっている。

 『中華民国憲法』には中華民国は中国に対する完全な主権を持ち、中国の唯一の正当な代表者であると書かれており、つまり中国共産党が1949年に中国大陸で確立した体制には正当性がないと主張している。また、台湾は数千年前から中国人が使用してきた正書体の漢字(繁体字)を使用しており(中国共産党政権下の中国大陸では簡体字が使用されている)、中華民族の伝統文化を保持し、独立した国家主権と完全な政治、司法、教育制度、いかなる政党にも属さない軍隊を有している。(人民解放軍は国家ではなく、中国共産党に属している軍隊である)。

 米台関係が緩和している中、アメリカがひっそりと駐中国米大使館のアイコンを変えたのは、アメリカが中華人民共和国を憲政国家として認めなくなったことを示唆している。

 近い将来、アメリカ大使館が台湾にもできるかもしれない。

(翻訳・藍彧)