ポンペオ米国務長官は8月5日、米国のネットワークが中国共産党政権の影響を受けないようにする「クリーンネットワーク」を構築する5つの措置を発表した。ポンペオ氏は、中国のアプリケーションソフトである海外版のTikTokやWeChatを「大きな脅威」と言及した。これは米政府が主導した中国当局のデジタル分野から脱却する最新の動きで、実施されれば、中国の大手通信会社すべてがこれらの措置の影響を受けることになる。
これらの新しい措置は、4月にポンペオ氏が発表した5Gネットワーク向けの「クリーンパス」のイニシアティブを拡大したもので、クリーンキャリア、クリーンストア、クリーンアップリ、クリーンクラウド、クリーンケーブルの5つの分野に焦点を当てている。
1.クリーンキャリア(Clean Carrier):中国の「信頼できない通信キャリア」を米国の通信ネットワークに接続させない。
ポンペオは声明の中で、「市民のデータにクリーンな要塞を構築することで、すべての国のセキュリティを確保できる 」と述べた。
これまで、台湾の通信会社5社すべてが米国の5Gクリーンネットワークのリストに追加されており、関連リストに含まれているのは、フランス、スペイン、インド、英国、日本から各1社、オーストラリアと韓国から各2社、米国から3社である。 米国で認可されたクリーンな通信事業者は、ノキア、エリクソン、サムスンである。
これにより、中国電信や中国モバイルなどのネットワーク事業者は、米国内でのネットワーク運営ができなくなっただけでなく、米国外で運営していても米国とのインターフェイスが禁止されることになった。
2.クリーンストア(Clean Store):米国のアプリストアから中国製の「信頼できないアプリ」を排除する。
ポンペオ氏は、「TiktokやWeChatのようなアプリは、中国に本拠地を置く親会社にとって、米国民の個人情報に大きな脅威を与え、中国のコンテンツ検閲ツールとして機能していることは言うまでもない」と述べた。
つまり、アメリカのアップルストアやグーグルからWeChatやTiktok、Weibo、Baiduなどが消される。
3.クリーンアプリ(Clean Apps):ファーウェイなど「信頼できない中国スマホメーカー」の製品での米国製アプリの利用をブロック。
ポンペオ氏は、華為(ファーウェイ)や他の信頼されていないベンダーが米国で最も人気のあるアプリケーションをインストールしたり、ダウンロードしたりするのを防ぎ、私たちは 華為 が人権を侵害したり、中国共産党が国民を監視する行為の共謀になることを望まないと述べた。
4.クリーンクラウド(Clean Cloud):阿里巴巴(アリババ)、百度(バイドゥ)、騰訊(テンセント)などの中国企業が、米国のクラウドにアクセスするのを防ぎ、医療や先端研究などのデータを保護する。
ポンペオ氏は、国務省は商業機関や他の機関と緊密に連携し、中国のクラウドベースのサービスプロバイダーが米国内で大量のデータや機密情報を収集、保存、処理する能力を制限すると述べた。
5.クリーンケーブル(Clean Cable):中国と各国のインターネットを繋げる海底ケーブルが、中国共産党の情報収集に利用されるのを防止する。
米国とその同盟国によると、華為海洋は北京がデータトラフィックを監視する装置を隠したり、データをリダイレクトしたりすることができる海底ケーブルに精通しており、紛争が発生した場合に北京が他国の接続を遮断することができるようになるという。
現在、米国の「クリーンネットワーク」計画は30カ国の支持を得ている。
海外の政治経済評論家の王剣氏は5日の生番組で、ポンペオ氏のクリーン・インターネット・イニシアティブは、中国共産党のネットワーク・ファイアウォールに沿ってもう一つの壁を作ることに等しい、つまり中国共産党を米国から遮断することだと述べた。
(翻訳・藍彧)