香港警察は8月10日、民主活動家の周庭(アグネス・チョウ) 、香港紙蘋果日報(アップル・デイリー) 創業者黎智英(ジミー・ライ)氏及び同紙幹部らを、香港版国家安全法違反の疑いで逮捕した。黎氏の逮捕と家宅捜索と同時に、約200名余りの警察が蘋果日報本社で立ち入り調査を行った。黎氏は逮捕や蘋果日報の今後について、インタビューで「なるようにしかならない」と落ち着いた返事をした。香港市民は「たとえ明日蘋果日報が白紙でも買い占める」と支持を示した。
蘋果日報によると、10日朝香港警察は黎氏の家に立ち入り、国安法の「外国勢力及び部外者と共謀して国家安全に危害を加える罪」で黎氏を拘束した。同時に彼が運営する壱伝媒(ネクスト・デジタル)本社で立ち入り調査が行われた。警察は一度捜査令状の提示を拒否したという。
黎氏の二人の息子黎見恩と黎輝恩、壱伝媒の管理職4人らが一緒に拘束された。蘋果日報の社長張剣虹も取り調べ調査を受けたあと連行された。彼は記者に対し「蘋果日報は必ず乗り越える」と言い残した。
警察は捜査後、約4時間かかって壱伝媒のビルから少なくとも30箱の証拠品、サーバーらしい金属部品を取り上げた。捜査開始から終了まで約9時間かかった。
香港人が見せた意地
香港警察の一連の行動は香港社会で大きな反響を呼んだ。香港市民は蘋果日報への支持を表した。民主活動家の黄之鋒はFacebookに「明らかに中共が見せしめのためにやった。(自分が)逮捕されるのも時間の問題かもしれない」と投稿した。また、「たとえ明日蘋果日報が白紙でも買い占めよう!」と蘋果日報への支持を呼び掛けた。
壱伝媒の株価は同日午後344%も急上昇したことがわかった。
香港のネットユーザ―も黎氏と蘋果日報への支持を示した。
「販売した部数全部買い占めるぞ」、「香港人は絶対蘋果日報を最後まで応援する。蘋果日報のみなさん、いつも真実の香港を報道してくれることに感謝している」、「明日たくさん発売してください。白紙でも、トップニュースだけでも全員蘋果日報を買うから」
中国のネットユーザ―も相次いでコメントした。
「香港のような同胞がいることを誇りに思う。本当の男だ」、「世界の人に香港市民の一致団結を見せてやれ!」、「香港人は自分たちのやり方で黎氏への支持を表した」、「本当に感動した。香港人は相変わらず情が厚い」、「これは投票である」、「黎氏は60年もの自由が香港からもらったため、今は恩返しの時だと述べた。これを伝えるとき目がうるっとした。今ではこんな気骨ある中国人が少なすぎる」
「蘋果日報」は10日夜声明を発表した。香港警察合理なき行動を譴責し、弾圧を恐れることなく、真実を伝えつつける意志と公表した。
(翻訳・北条)