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 中国は、少なくとも今のところ、世界で最も人口の多い国である。 21世紀最初の20年間の出生数は、20世紀の最後の20年間より1億人少なくなっている。 2022年までに、中国の死亡率は出生率を超えると予測されており、中国は「高齢化社会」から「死亡社会」へと移行するだろう。

 元指導者の鄧小平の影響下で、1979年以来、中国共産党は強制避妊、強制中絶、女児殺害など、人口を制御するために人権を深刻に侵害する多くの措置を講じており、一部の当局は家屋を破壊することと財産の没収をすることで国民を搾取している。これらの行為は元中国共産党指導者江沢民の時代に最高潮に達した。

 中国の産婦人科年次報告によると、2014年から2015年までに、中国では少なくとも900万人の流産が行われている。これは同じ年の世界​​の流産総数の6分の1を占め、流産数が最も多い国となっている。しかし多くの中国人が知っている最も悲劇的な年は1995年だ。1995年の中絶件数は1300万人に達した。大きな数字は状況がどれほど悲惨かを如実に反映している。

 これはまた、中国の男女比に深刻な不均衡をもたらした。 2005年には、男性と女性の比率は118.9対100で、男性は女性よりも約20%多い構図となった。2014年の男女出生比率は、116対100であり、あまり改善されていないことがわかる。

 これらの危機は、中国共産党の権力に影響を及ぼす可能性がある。中国発展基金会(China Development Foundation)は今年6月19日、人口高齢化に関する報告書を発表し、中国が高齢化社会に入った2000年以降、中国の高齢化のペースは加速していると述べられていた。 同報告書によると、2022年までに中国の65歳以上の人口は総人口の14%に達するという。

 高齢化問題も出生率低下で悪化している。今後数年間、出生率が著しく向上しなければ、中国の年間出生率は1000万人の大台を下回り、死亡率が出生率を上回ることになる。

(文・China Observer – Vision Times/翻訳・柳生和樹)