希望の声(Sound of Hope)は8月6日、最近、長江の氾濫により物議を醸している三峡ダムが再びを注目集めていると報じた。洪水が三峡を通過するたびに、中国の公式メディアは三峡ダムの増水ピークにおける減水能力を絶賛している。これに対し、水利専門家の王維洛氏は、当初、三峡ダム完成後に洪水が発生しないと国民に約束したのあって、洪水の圧力を軽減するという役割を果たすのではないと述べた。中国共産党の報道は国民をごまかしているのだ。
長江2020年第3号洪水は7月27日に三峡を通過した後、中国の公式メディア新華社通信は、同日14時の時点で、流入流量が毎秒6万立方メートル、流出流量が毎秒3万8000立方メートルに達し、ピーク時の36.7%の洪水を食い止めたと報じた。長江委員会の指令にて、三峡ダムは長江中下流の洪水防止の圧力を軽減したという。
これに対し、水利専門家の王維洛氏は海外メディアの大紀元に対し、「当時、李鵬は自筆の『大江曲』で、三峡ダムがあれば洪水がなくなり、人々が悲しみ困ることがなくなると宣言した」と述べた。
王氏はまた、「当時中国共産党の鄒家華副総理は全人代委員に三峡ダムの洪水制御の利点を説明した。長江は毎秒8万立方メートルを超える洪水が歴史上8回あり、最大のは1860年、1870年にはすでに10万立方メートル/秒に近づいていた。三峡ダムがあれば、10万立方メートルの洪水も怖くないという」と話した。「先日亡くなった『三峡ダムの父』と呼ばれた鄭守仁氏は、三峡ダムはまだ建設中だったころ、三峡ダムができたら洪水が暴れなくなる、つまり洪水がなくなるという意味で、『三峡ダム日報』に書いていた」と述べた。
しかし今では、三峡ダムは洪水を軽減するどころか、全く意味をなしていない。
水力発電部の元李鋭副部長は、増水期が到来する際、三峡ダムは水門を閉めて洪水を貯水して、下流の洪水を軽減するのか、それとも水門を開けて洪水を放流して、貯水池の沈泥を減らし、下流の洪水災害を増やすのか、排水すればダムの寿命を維持するならば、三峡ダムは結局洪水を防ぐ能力がまったくないことになる。
王維洛氏は、三峡ダムは矛盾体であり、上流と下流の要求は異なっていると指摘した。「重慶は早めに放水するように求めるに対して、武漢は水を十分に蓄えて、一滴も排水してはいけないと求める。以前、黄万里は二つの都市の間にダムを建設してはいけないと言っていた」。
有名な水利専門家、清華大学の黄万里教授はかつて、三峡ダムを建設すると12の災害的な結果が現れると予言した。
1,長江下流の堤防が崩壊、2,海運の妨害、3,移住問題、4,沈泥問題、5,水質の悪化、6,発電量不足、7,気候の異常、8,地震の頻発、9,シストソーマ症の蔓延、10,生態系の悪化、11,上流の水害問題、12,いずれは爆破せざるを得ないだろう。
ここ数年、11個は全部該当した。これらの災害に比べて、三峡のいわゆる洪水の軽減能力をまだ讃えられるだろうか。
(翻訳・藍彧)