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 スタンフォード大学のシンクタンク・フーバー研究所は7月30日、米国の115の大学や政府出資の研究所が中国軍と密接な関係を持っていることを明らかにした報告書を発表した。中国語ラジオ放送「希望の声(Sound of Hope)」が8月3日に報じた。

 同報告書によると、中国軍に所属する7つの大学(国防七校「注1」ともいう)の研究者とアメリカの研究者による共著の研究論文254本からは、中国の研究者が共産党との結びつきを隠蔽しようとしていることが明らかになった。また、中国の論文共著者の中には、実際に中国共産党の秘密の兵器研究計画に関与していた者もいるという。

 このような米側と協力している研究者は、中国共産党の国防計画とのつながりを隠すために、「国家重点実験室」などの名称を意図的に使い、「国防重点実験室」という呼称を避けることで、中国軍との関係を隠していた。更に、中国のウェブサイトでは、これらの研究者の履歴書はほとんど空白状態で掲載されている。

 同報告は、中国共産党の研究者が米国の研究成果を、中国共産党の国防研究と武器計画開発に渡しており、また、一部の研究はアメリカ国立衛生研究所(NIH)や国立科学財団からも資金援助を受けたと指摘した。

 フーバー研究所は、米学術界と中国軍との間に、このような緊密で幅広い協力関係が構築されていることは、米国の国家安全保障を大きく脅かしていると述べた。「もし(米中の)武力衝突が発生すれば、この学術移転は米軍の優位性を侵食または弱体化させ、致命的な結果をもたらす可能性がある。そのため、国家安全保障上から見れば、この脅威は非常に深刻である。」

 この報告書は、トランプ政権が中国共産党への取り締まりを強化している時に発表された。先週、米国務省はヒューストンの中国総領事館を中国共産党の「スパイ活動の拠点」と称して閉鎖を命じた。国務省当局者によると、領事館は近年、地元の生物医学研究機関の研究者を募集し、中国共産党の「千人計画」に参加させていた。この計画を通じて、彼らは米国の知的財産技術を盗んだという。

 フーバー研究所の調査によると、中国共産党は2007年以降、軍事的な経歴を隠した2500人以上の軍事科学者や技術者を海外に留学させていることが分かった。

 トランプ政権は5月、中国共産党軍が共有する中国の大学院生やさらに高いレベルの研究者の米国入国を禁止する行政命令を出した。また、フーバーのアナリストは、たとえこのようにしても、中国共産党はこのような連携関係をオンラインや海外に移転したり、行政令の対象外の身分を利用して米国に入る恐れがあり、状況は変わらないと警告した。

注1:七校は、北京航空航天大学、北京理工大学、ハルビン工業大学、ハルビン工程大学、南京航空航天大学、南京理工大学、西北工業大学である。

(翻訳・藍彧)