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お金は最も清潔ではないものの一つですが、私たちのほとんどは、日常的に紙幣や硬貨に触れざるを得ません。言い換えると、私たちは毎日、お金に付着しているさまざまな細菌に触れる機会があるということです。衛生的な観点からも、人々の手にはさまざまな細菌とウィルスが付着しているとの指摘があります。

現在のところ、日本の紙幣は世界で最も清潔な貨幣ですが、その一方で、人民元はアジアで最も汚い貨幣の中の一つであると言われています。

日本円は世界の5大貨幣に位置付けられており、国際通貨基金(IMF)による特別引出権(SDR)の中の四大貨幣にも組み入れられています。この中で比較しても日本紙幣は世界で最も清潔な貨幣であると言われています。

なぜ日本の紙幣は清潔なのか

日本人は貨幣が金運を運んでくると信じているので、紙幣を大切にします。そのため日本人はお金を丁寧かつ整然と財布の中に入れます。紙幣に対してメモ書きなどもしません。

古い紙幣の中には折れているものもありますが、紙幣を折り紙の道具とすることはなく、ぐちゃぐちゃにしてポケットの中に入れたりすることは滅多にみられません。

また、日本の紙幣が清潔であるのは、貨幣をつくる時に使われる材料と関係があります。

日本紙幣は和紙で作られていますが、印刷時に磁石の粉が利用されています。これは偽造防止のための措置で、具体的にはインクに磁粉体を配合して印刷し、紙幣そのものが磁石に反応するようにしているのです。このため日本の紙幣は磁石の粉末を多く含んでいますが、磁石のN極とS極は血流に良いとの指摘や、人の体の健康に役立つとの調査結果が報告されていることから、日本ではお金をみぞおちに置く習慣があるのです。これも日本人が貨幣を大切にする原因の一つと言えるでしょう。

日本銀行によると、紙幣の平均寿命は一万円券で4~5年程度、五千円券と千円券は使用頻度が高く傷みやすいこともあって、1~2年程度とされています。紙幣は人の手で扱われるほか、機械に通すなど、様々な使用状況により徐々に傷んでいくため、順次新しいものを製造する必要があります。

アジアで最も汚い貨幣:人民元

香港城市大学で行なわれた研究によれば、中国人民元の紙幣1枚には平均で細菌17・8万個が付着しており、5角、1元、1角の紙幣一枚ごとの細菌付着数は1800万に達しています。アジア7カ国(地域)の中では、人民元が最も細菌数が多いと判明しました。

冬に比べ、夏にはさらに貨幣が汚れるため、南方の貨幣は北方の貨幣より汚いと言われています。また、額面価値が小さい紙幣は流通が広いため早く汚れます。こうしたことが原因で、中国紙幣を使用した後は、手を洗うよう推奨されているのです。

貨幣の衛生状態は、材質の良さだけではなく、「貨幣を大切にする」文化によって決まります。清潔に貨幣を使用することは、貨幣の実用寿命を延長するのみならず、使用者の健康によい効果をもたらすと言えるでしょう。

(翻訳・項内秀)