正体不明な種子(イメージ:米国ワシントン州農業局)

 希望の声(Sound of Hope)7月30日の報道によると、ここ1、2週間で、米国の多くの州の住民が相次いで中国から来た不審な種子の小包を受け取ったという。

 バージニア州、ユタ州、ルイジアナ州、テキサス州などの住民は、種子を注文していないにもかかわらず、中国のラベルが貼られた不審な種子の小包を受け取ったという報告が相次いでいた。これらのパッケージのラベルの多くはイヤリングやアクセサリーなどと記載されており、中国語や「中国郵便」という文字が書かれているため、中国からの輸入品ではないかと疑われている。

 各州の住民が受け取った種子はさまざまで、農務省の職員は、種子の種類を明らかにしていないと述べた。しかし、数十の州の農業部門は、民衆にこれらの種子を植えないようにと警告した。

 7月28日のニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、少なくとも27の州の当局者は、住民に中国からのものと疑われる正体不明の種の小包を報告するよう促し、更にこれらの種子は侵入性や他の危険性があるかもしれないと警告している。

 バージニア州農業・消費者サービス局の報道担当マイケル・ウォレス(Michael Wallace)氏は「ボイス・オブ・アメリカ」の取材に対し、由来不明の種子は侵入性植物種であるかもしれないと話した。外来種は環境にダメージを与え、在来の植物や昆虫を駆逐したり破壊したりし、農作物に深刻なダメージを与える可能性がある。外来種の侵入を防ぐ対策は、侵入性種によるダメージを軽減し、侵入によるコストを軽減する最も効果的な方法であると語った。

 米国農務省動植物衛生検査局(APHIS)の広報担当者セシリア・セカイラ氏はメディアに対し、農務省は米国税関と国境警備局および各州の農業部門と協力して、最近各州の住民が相次いで受け取った種類と由来が不明な種子について調査を行っていると語った。

 米国の「国家科学院学報」が2016年に掲載した研究報告によると、侵入種は世界の農業に数十億ドルの損失をもたらしたという。

(翻訳・藍彧)