米国は最近、中国共産党に対して迅速な追い討ちをかけている。中国の専門家は、長年に渡って、トランプ氏は中国共産党に立ち向かった唯一のアメリカ大統領だと指摘し、ヒューストンの中国総領事館が閉鎖されたことから、中国共産党は「手強い相手に遭った」と示した。
中国で育ち、アメリカに移住した中国系アメリカ人学者ヘレン・ラリー(Helen Raleigh)氏は、現在コロラド州研究所の移民政策研究者である。ラリー氏はFOXニュースに対し、トランプ政権の厳しい姿勢が北京政府を夢から覚めさせ、かつてないできごとであると指摘した。
「中国共産党は弱肉強食のジャングルの法則を信じており、トランプ政権は中国共産党にとって初めて正面から立ち向かった政権であり、対立がもたらすリスクをいとわない。」
ラリー氏は続けて、「ヒューストンの中国総領事館が閉鎖された後、北京が復讐することを承知していたが、彼らは世界中の誰もが冒したがらないリスクを果敢に背負った。今回、中国共産党は好敵手に遭ったわけだ」と述べた。
ラリー氏はマイク・ポンペオ米国務長官が行った中国への政策演説に言及し、何十年もの米国の対中政策を覆そうとしていると指摘した。
「ポンぺオ氏は米中関係の問題点を明らかにした。実際、中国と世界各国の関係にも同じ問題が存在している。また、米国のような自由な国に比べ、中国(共産党の統制)は非常に異なる政治とイデオロギーシステムを持っている。過去数十年の間、自由国家は中国と中国共産党との関わりを続ける限り、(中国は)最終的に経済の自由化を実現し、変化すると勘違いしていた。この点に関して、ポンぺオ氏はスピーチにおいて、この思い込みは間違っていたと認め、そのような考え方は数十年も前から間違っていた。」
外部の分析によると、ポンぺオ氏がスピーチの場所に元米国大統領リチャード・ニクソンの記念博物館を選んだことには意味があるという。ニクソン元米国大統領は1979年に米国と中国の外交関係を促進し、米中間の全面的な対立と冷戦関係を終わらせた。
さらに偶然にも、1971年の元米国務長官ヘンリー・キッシンジャー(Henry Kissinger)の中国内密訪問は来年で50周年になり、その翌年(2022年)はリチャード・ニクソン元米国大統領の中国訪問50周年にもなる。
ニクソン記念博物館の前で、ポンぺオ氏は再び米中関係を「新冷戦」の状態に切り替えた。これは、ニクソン時代から築いてきた米中関係が「公式的に終了」の宣言に等しい。ポンペオ氏のスピーチを新たな冷戦の「宣戦布告」と見ている学者もいる。
ヘレン氏は、「トランプ政権はまず、中国と貿易交渉を始め、次に北京当局が長年知的財産を盗んでいることを非難し、さらにビザ制限およびヒューストンの中国総領事館の閉鎖で対抗体制を整えたことで、北京を交渉の席に戻らせた。かつて米国政府は中国との対立に伴うリスクを冒すことを避けていたが、トランプ政権はすべてを変えた」と示した。
(看中国記者・文可伊/翻訳・北条)