中国と各国(米国、インド、英国、オーストラリア等)は緊張が高まる中、米軍は27日、偵察機2機を中国の領海基線に接近させた。その後、北京市は同日に、空襲に関する知識を掲示した。上海では5日前の22日から戦時人口疎開の事前訓練が行われた。
北京大学海洋研究所の「南シナ海戦略的状況認識プログラム」プラットフォーム(SCS Probing Initiative)がツイッターで公開した情報によると、26日、米P-8A対潜哨戒機は日本から離陸し、午後1時50分頃に台湾防空識別エリアまで飛行した後、中国方向を旋回したという。P-8 Aは浙江、福建省の国境付近の領海基線から41.3海里(約76.5キロ)で引き返した。最近、近海偵察で米軍機が中国に最も接近したことになる。
ほぼ同じ時間に、米軍のEP-3E電子偵察機は台湾南部の空域からバス海峡を経由して南シナ海上空に入り、午後2時23分頃、中国の領海基線から57.54海里(約106.6キロ)の福建省南部海域を旋回して引き返った。
一部の中国人は27日付のウェイボー(Weibo)の投稿によると、北京市海淀区防空事務所は、掲示板で「戦時の警報が鳴ったら如何に迅速に防空避難所に入るか」や「防空知識」など空襲に関する知識を掲示したという。
また、上海市の松江区、長寧区では今月22日に戦争状態の人口疎開訓練が行われ、24日には上海市青浦区、静安区でも同様の訓練が行われたとネットユーザーが指摘した。
7月以来、米軍は偵察のために戦闘機を南シナ海に何度も飛ばした。これに対し、外界は「敵を知るための動き」と解読した。
米中関係の急速な冷え込みについて、シンガポール国立大学東アジア研究所の鄭永年(てい えいねん)教授はこのほど、「人民日報」海外版傘下のツイッターアカウント「侠客島」のインタビューで、米中国交樹立の最初の30年間、米国は中国に対して「受け入れる」という態度を示し、中国政府に「希望」を抱いていた。しかし、過去の政策は中国が米国の望むように変革できないと明らかに認識することができたため、今や米国はその思いを捨てた。米中関係は全く新しい局面に入ったと述べた。
鄭永年教授はまた、南シナ海問題は「制御不能」で、局地戦にまで発展する可能性があることにも言及した。更に、米国は現在、中国問題に全面的に対応しており、米中が衝突を起こせば、局部戦争でも政治的・外交的な衝突とは全く別の局面になるであろうと述べた。
「南シナ海戦略的状況認識プログラム」プラットフォーム(SCS Probing Initiative)がツイッターで公開した情報:
US Navy P-8A operating near #Shanghai, with USS Rafael Peralta sailing underneath, July 26.
Might be a joint-operation? pic.twitter.com/vm7REvY14U— SCS Probing Initiative (@SCS_PI) July 26, 2020
Update: EP-3E (#AE1D8A) is flying back, after approaching about 57NM off #Fujian (the province across from #Taiwan) and the southern part of the #TaiwanStrait, July 26. https://t.co/A5socBrUa6 pic.twitter.com/bzqHAbL8wk
— SCS Probing Initiative (@SCS_PI) July 26, 2020
北京当局者、公共場所で空襲に関する知識を掲示:
(看中国記者・黎小葵/翻訳・藍彧)