中国では2ヶ月連続で各地で被害が相次いでおり、専門家は下半期に食糧危機が発生する可能性があると指摘したが、中国の公式メディアは近日「食糧が十分で、豊作だ」と発表した。この記事が出ると、たちまち民間から大きな疑問を巻き起こした。
習近平が中国東北部吉林省を訪問して食料安全問題を調査したことを受けて、複数の公式メディアが26日、「重大ニュース:人民日報は再び食糧の安全を強調!」という見出しで、今年の夏の穀物収穫は前年比0.9%増と過去最高の豊作だと強調した。
しかし、公式のプロパガンダは民間の実情とはかなり違うようだ。
吉林省は中国の重要な穀物生産地である。吉林省鉄嶺市の農民張一群氏は、ラジオ・フリー・アジアの取材に対し、「今年の東北地方は甚大な干ばつで、全く雨が降らなかった。干ばつのせいで、茎にトウモロコシが実らない」と語った。
中国南方の長江流域も中国の重要な穀物生産地であるが、最近の集中豪雨や頻発する洪水の影響で、農民の損失は甚大だった。広西チワン族自治区の農業州・県はイナゴの大群に襲われ、農作物がすべて食べ尽くされてしまった。
湖北省はこのほど、8回の豪雨に見舞われ、武漢市の農民が「400ムーの水田が冠水されて全滅だ」と語った。
湖北省でヒマワリを栽培している農家は「豪雨の影響で9割の収穫を失った。成熟したものもあったが、連続した雨で乾燥設備もなく、最後の一割も取り戻せなかった」と語った。
米農業省(USDA)は23日、中国が米国のトウモロコシや大豆を急きょ輸入し、購入量は近年最高水準に達したと指摘した。これは中国の食糧危機が深刻であることを間接的に裏付けている。
(看中国記者・黎小葵/翻訳・藍彧)