田舎道を干し草が積んである馬車が走っていました。突然、車輪が泥だまりにはまってしまい、馬車が動けなくなりました。御者は腹が立って、泥だまり、馬、車輪、そして自分をも罵り始めましたが、どうにもならなかったので、仕方なくヘラクレスに助けを求めました。
「ヘラクレス様よ、どうかお助けください。絶大な力をお持ちのヘラクレス様にとって、私の車を泥だまりから引きずり出すことはお安い御用でしょう。」
すると、ヘラクレスは雲の上から言いました。「まず車輪が泥だまりにはまった原因を自分で考えてごらんなさい。そして、車輪の周りの泥を取り除いたり、邪魔になる石ころを砕いたり、道を整えたりして自分で解決してみなさい」と答えました。
御者はヘラクレスの言う通りに動き出しました。しばらくしてから、ヘラクレスは「終わったか」と御者に聞きました。
御者は「はい、終わりました」と答えました。
「よし、では助けてあげましょう。鞭を取りなさい」とヘラクレスは言いました。
鞭を取った御者は順調に馬車を動かせました。「え?どういうことでしょう?ヘラクレス様のおかげで馬車は軽やかに走ることができました!ありがとうございます!」
ヘラクレスは「困難に遭ったとき、まず自分で考えて解決してみてごらん。そうすると、神は手助けするのだ」と言いました。
(翻訳・常夏)