2020年上半期から、中国で各種災害が続き、食糧危機を引き起こしたた。中国当局は「貯蔵されている穀物は十分だ」と主張し続けているが、近日、ある穀物商人が中国の国有穀倉に貯蔵されているのは穀物ではなく、食用できない「ゴミ」であることを明らかにした。
ある穀物商人が黒龍江省肇東市の国有穀倉から大量のトウモロコシを1トンあたり2000元(約3万円)近くの価格で購入し、取引中に穀倉の職員からリベートを求められたが、結局「廃棄された食糧」を買ったはめになったという映像が7月12日にインターネット上公開された。
「廃棄された食糧」とは、ふるいにかけられた穀物、灰やゴミなどのくずのこと。当該穀物商人は穀倉から一握りの食糧を取って、手の平を広げてみると、全部「ふるいにかけられらもの」だったという。情報提供者によると、穀倉の職員が「これはすべてふるいにかけられらものであり、国がお金をかけて貯蔵した食糧はこのようなふるいにかけられらものばかりだ」と証言したという。
映像が公開された後、瞬く間にインターネット上で広がった。中国儲備糧集団(China Grain Reserves Corp.)は、この問題を厳正に調査するとの声明を発表した。しかし、多くのネットユーザーは中国当局が穀倉を点検しようとするたびに、火事になると指摘した。最近、イナゴや洪水の影響で備蓄品の棚卸しが始まったことをきっかけに、上海、河南、貴州の主要な穀倉が相次いで火災に見舞われたと報道された。中国の公式メディアでは穀倉火災の報道が少ない中、多くのネットユーザーが中国各地の穀倉火災状況に関する動画を投稿した。
7月1日、貴州省都匀市の穀倉では200平方メートルに及ぶ火災が発生し、原因は明らかにされていない。長年穀倉で働いていた人は「穀倉は通常火事になることはない。電気のショートでも火事にならない。穀倉の壁と屋根は不燃材料で、以前は木で作れらた建物がほとんどで火事で燃え尽くされたが、穀倉は表面が燃えただけで、これほど燃え上がるのは見たことがない。穀倉の火事は政府機関の火事よりも損害が大きい。きっと食糧がないことがばれるのを恐れて、地方政府がガソリンをかけて燃やしたに違いない」と言った。
今年4月には、国家穀物原料備蓄管理総局の関係者は、中国の大・中都市の完成穀物備蓄量は10日から15日の需要にしか満たせないことを公に認めた。全国食糧の応急加工能力は9.6億キロで、つまり一人当たり0.5キロだという。
(看中国記者・端木珊/翻訳・藍彧)