元ホワイトハウス首席戦略官兼上級顧問スのティーブ‧バノン氏(Wikimedia Commons/Elekes Andor / CC BY-SA

 元ホワイトハウス首席戦略官スティーブ・バノン(Steve Bannon)と米国在住の実業家郭文貴氏は、中国共産党に買収された欧米のマスメディアが、中国共産党によるパンデミックとなった武漢肺炎の情報隠蔽を報道せず、米国の中国語メディア「大紀元時報」や「新唐人テレビ」、及び中国共産党の悪行を暴露している法輪功学習者を攻撃したことを非難し、米国人は目覚めるべきだと述べた。

 郭文貴氏はバノン氏の政論番組「作戦司令室(War Room)」に出演し、「中国共産党は欧米メディアを多額な投資で自らの悪行を隠す道具に変えた。これらのメディアの管理層は全て中国共産党に買収されている。中国共産党の慣用手段は水を濁すことである。欧米の人々に真相を隠すため、まずメディアを濁すことだ」と述べた。

 バノン氏は欧米メディアが中共の悪行を見て見ぬふりして、大紀元時報、新唐人テレビ、GTV、Gnewsなどの事実を報道するメディアを攻撃していることを批判した。「もう時が来た、アメリカ人が目覚めるべきだ、ヨーロッパ人も目覚めるべきだ、イギリス人も目覚めるべきだ、彼らのメディアはすでに中国のプロパガンダの助っ人となっている。」

 郭氏は、欧米メディアが法輪功愛好者を中傷するのは、彼らが唯一真実を語る勇気のある人であるからだと考えている。「法輪功愛好者だけが真実を伝えようとしている。しかし、欧米メディアは法輪功を誹謗中傷している。なぜなら、彼らが立ち上げたメディアが真実を語っているからだ。これが原因だ」と話した。

 米ニュースサイト「デイリー・コーラー(Daily Caller)」6月8日の独占報道によると、 中国公式メディアの英語版「チャイナ・デイリー」(China Daily)が、米紙に広告を掲載したり、自社紙の印刷を委託したりするのに過去3年半の間で1900万ドル(約20億円)を費やしてきたという。

 2016年11月から今年4月まで、チャイナ・デイリーは「チャイナ・ウォッチ」という広告を米国メディアに掲載するのに、米国の印刷メディアに1100万2628ドル(約12億円) 、「ワシントン・ポスト」に460万ドル(約5億円)以上、「ウォール・ストリート・ジャーナル」に600万ドル(約6.3億円)近くを支払っていたことがわかった。

 さらに、「ニューヨークタイムズ」に5万ドル(約536万円)、「フォーリン・ポリシー(Foreign Policy)」に24万ドル(約2600万円)、「デモイン・レジスター(The Des Moines Register)」に3万4600ドル(約370万円)、米議会報告書を発行している「CQロールコール(CQ-Roll Call)」会社に7万6000ドル(約815万円)を支払い、「一帯一路はアフリカ諸国と同盟を結ぶ」、「関税で米国の住宅購入者にとって不利だ」といった中国共産党のプロパガンダ記事を掲載してもらった。

 チャイナ・デイリーはまた、社交プラットフォームのツイッターに26万ドル(約2790万円)以上の広告費を支払った。そのほか、「ロサンゼルス・タイムズ」、「シカゴ・トリビューン 」、「ヒューストン・クロニクル」、「ボストン・グローブ」など、米国読者向きのメディアに同紙の印刷代行を依頼し、そのうちの「ロサンゼルス・タイムズ」には65万ドル(約7000万円)以上支払ったという。

 フリーダムハウス(Freedom House)とスタンフォード大学のフーヴァー研究所は、「チャイナ・デイリー」による米紙の折込チラシは、北京当局の「大プロパガンダ」の一環であると指摘した 。民主派団体もこれまで、中国共産党は米国メディアを通じて米国民を「洗脳」しようとしていると警告してきた。

 台湾中央研究院政治研究所の蔡文軒准研究員は、「中国共産党の内部提案書は、かつてプロパガンダにおける7‐3戦略に言及していた。7‐3戦略とは、中国の経済発展や社会の安定を宣伝することが7割、自己批判や反省が3割というポジティブとネガティブが混ざった文体が外国に最も信頼されやすいということ 」と指摘した。

(翻訳・柳生和樹)