ペスト菌の蛍光染色図(イメージ:パブリック・ドメイン)

 中国の内モンゴル自治区にあるバヤンノール市ウラド中旗人民病院は7月4日に腺ペストの疑いがある症例を報告し、7月5日に確診した。同日、バヤンノール市健康委員は2020年ウラド中旗ペスト伝染状況レベル3の早期警戒に関する通知を出した。当該地域は5日から早期警戒期間に入り、2020年の終わりまで続くと予想されている。

 通知は現地でペスト蔓延の危険性があり、人々に対し厳格な予防対策とペスト発生地域に立ち入る際に厳重な注意を呼びかけた。もしペスト発生地域に滞在または居住していた際に、発熱など具合が悪い症状が出た場合、速やかに指定病院で診察するように指示した。

 内モンゴルにおけるペスト流行の予防と感染は5つのレベルに分けられており、レベル3は比較的大きなペスト流行である。

 エポックタイムズ(大紀元時報)が今年4月に入手した中国共産党の内部書類では、内モンゴルでのペストの深刻さを明らかにした。「内モンゴル自治区総合疾病予防管理センター」4月13日の「流行状況速報」によると、内モンゴル自治区における12の地方行政区の3分の1でペストが発生していることがわかった。「内モンゴル腺ペスト緊急予防感染対策〔2020〕17号」と番号付けされたもう一つの書類では、内モンゴルの「ペスト予防感染緊急指導部」が4月3日に「ペスト予防感染対策実施に関するビデオ会議」の報告書を出した。報告書には、ペストの蔓延の深刻さについて言及しており、各地でペストの予防対策指導部を設立するように緊急に命じた。また、内モンゴルの包頭市、ウランカブ市、シリンゴル盟やバヤンノール市でそれぞれペスト感染が確認されたと書かれている。

 記録を遡ると、北京当局は昨年に少なくとも5件のペスト報告を出しており、11月に発生した症例が最も多いことが明らかになった。その後どうなっているかは不明。外界は、北京当局がペストの蔓延を隠蔽し続けたことに疑問視している。

(看中国記者・黎小葵/翻訳・北条)