米海軍空母打撃群(パブリック・ドメイン)

 中国軍が南シナ海で軍事演習を行っているところに、米国が2つの空母打撃群を向かわせた。これはかなり稀なことで、衝突に発展するかが注目されている。

 中国海南省海事安全局は先週土曜日(6月27日)、パラセル諸島海域において7月1日から5日まで全面的に航行を禁止し、軍事演習の予定を発表した。画定の範囲から見れば、パラセル諸島のほとんどの島が網羅されている。中国は1974年にベトナムからパラセル諸島を取った。

 米海軍太平洋艦隊は翌日(6月28日)、ツイッターにて日本横須賀港の米軍基地を拠点とする「USSレーガン」と「USSニミッツ」空母打撃群が同時にフィリピン海で活動展開することを公表し、米中の対峙が明らかになった。

 米海軍は空母打撃群2つに軍艦も4隻軍事演習に加わった。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)の報道によると、中米双方が同じ場所で軍事演習を行うのは非常に珍しいという。米国の動きは、北京の同区域における武力乱用の動きに不満を持っているというメッセージを発信していると示した。

 「USSレーガン」空母打撃群の司令官ジョージ・ウィコフ少将は「米国の軍事演習の目的は、パートナーと同盟国に、この地域の安全と安定に対する我々のコミットメントをはっきりと知ってもらうためである」と述べた。

 これに対し、中国外交部の趙立堅報道官は、「情勢安定を影響する根本的な原因は、某国がしばしば海域外からわざわざ南シナ海に来て大規模な軍事活動で武力を振りかざすことにある」と反論した。

 米海軍が公開した写真によると、米軍艦ギフォード号が南シナ海での任務中、ベトナム漁船の巡視船とともに、中国の海洋調査船や中国海軍のフリゲート艦に遭遇したという。

 WSJによると、近年、南シナ海は中国が排他的経済水域を拡張する中心となっており、中国の南シナ海ほぼ全域を含む領海所有権の主張は他のアジア諸国との紛争を引き起こしている。さらに、中国は人工島にミサイルや妨害装置を設置し、同地域で活動する米国や同盟国を妨害している。

 米中両国の軍事演習期間中、中華民国空軍司令部は7月4日、同日午前中に中国の軍用機が台湾の西南部の空域に入り、台湾の防空識別区(ADIZ)を短時間で飛行したのを確認した。台湾空軍は放送による駆除を行った。台湾の防空識別エリアを中国軍用機が飛行したのは今年6月9日以来の10回目になるという。

中国海軍の対艦弾道ミサイルと艦砲実弾射撃:

「USSレーガン」空母:

ルイジアナ州のバークスデール空軍基地から出発し、演習に参加したB52H戦略爆撃機:

(翻訳・藍彧)