米下院は7月1日、「香港自治法」を全会一致で可決し、香港自治を損なった責任のある中国共産党官僚と取引している金融機関に対し制裁を課すことを決定した。同法案は7月2日に上院でも全会一致で通過した。米国全土が動乱に見舞われる中、共和・民主両党は党派を超えて結束し、自由と人権に対する米国の揺るぎないスタンスを世界に示した。
同法案のもとでは、米国は香港の自治を損なうことに責任のある個人または団体に制裁を課すことができる。制裁は、香港の自治と自由を損なう香港及び中国の政府関係者に対する「一級制裁」と、被制裁者と取引のある金融機関に対する「二級制裁」の2段階からなる。
一級制裁には、資産凍結、入国拒否などの措置が含まれている。制裁措置に違反した者には、20年以下の懲役と100万米ドル以下の罰金が科せられまる。
二級制裁を受けた金融機関は、米国の金融機関への貸出禁止、銀行取引の禁止、外国為替取引の禁止、商品や技術輸出の制限などに直面する。
また、米国務省は、制裁の実施状況を毎年議会に報告することが義務付けられている。米国務長官は、「中英共同声明」や「基本法」を違反した者と、その者と取引を行っている金融機関について、毎年報告書を提出しなければならない。
更に、「香港自治法」は中国の迫害に直面している香港人が合法的に米国に渡航することを認めることを支持している。
ブラッド・シャーマン(Brad Sherman)下院議員は、「デモに参加したことで実刑判決を受けるのはおかしい。 今、香港人は恐れて香港から逃げている。 中国政府が香港に対して行った行動に対して、私たちは何かをしなければならない」とツイートした。
下院議長ナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi )氏は声明の中で、この法案は中国政府の香港人に対する加速的な取り締まり、脅迫、残虐行為を終わらせるためのもう一つの重要な一歩だと述べた。
同法案はドナルド・トランプ米大統領に送られ、署名を求められることになる。大統領が署名した後、法案は発効し、法律になる。上院で法案を推進したパット・トゥーミー(Pat Toomey)上院議員とクリス・ヴァン・ホーレン(Chris Van Hollen)上院議員は7月1日の共同声明で「米国は香港の人々と一緒に立ち上がらなければならない」と述べた。
(看中国記者・文可伊/翻訳・柳生和樹)