中国では20以上の省で集中豪雨と洪水が続いており、三峡ダム決壊に対する疑念が再びわいた。この敏感な時期に、三峡ダムに対しほとんど関心を示さない温家宝元総理が注目を集めた。先日、蘭州大学の地質科学と鉱物資源学院のために書いた題辞を取りに、大学のトップらが北京に赴き、温家宝を訪ねた。
6月27日、蘭州大学の公式サイトによると、温家宝は同大学の要請を受け、「大道は無限、誠意は遠大」という題辞を書いたという。
温家宝は天津市南開中学校を卒業し、1960年に北京地質学院に入学した。1978年に地質鉱物部門に勤務し、2003年から10年間国務院総理の職を務めた。
複数メディアの報道によると、三峡ダムプロジェクトは開始前から疑問視され、多くの水利専門家から反対されていたという。 1989年6月4日、愛国学生の血を踏んで政権に就いた江沢民は、李鵬と同盟を結び、自ら三峡プロジェクトの立案を推し進め、多くの論争の中で強引に決行したという。
中国公式のメディア「人民日報」は2013年2月号に、元総理李鵬の会議録に基づいて整理された文章を掲載した。李鵬が三峡ダムプロジェクトは鄧小平によって決められたとの裏側を披露した。李鵬は当時国務院副総理で、三峡ダム工事準備指導チームのリーダーを務めていた。江沢民が中国共産党総書記に就任後、初めて視察したところが三峡ダムであった。1989年以降、三峡ダムプロジェクトに関するすべての重大な決定は江沢民が主宰して制定したという。
2千400億人民元かけた三峡ダムプロジェクトの竣工式には、中国共産党の最高指導部が一人も出席しておらず、清華大学卒業水資源専攻だった胡錦濤は在任10年間一度も三峡を訪れたことがないとの報道が最近インターネット上で再び関心を呼んだ。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)の記事によると、中国共産党政権が三峡を重視していることはほぼ周知のことであるが、竣工当日に行われた祝賀会はわずか8分で、更に中国共産党の最高指導部は全員欠席だった。胡温時代、胡錦濤と温家宝が三峡ダムプロジェクトに対する態度はずっと冷ややかであった。同記事は、大学で水工学専攻の胡錦濤と地質学専攻の温家宝は、三峡ダムがもたらす様々な潜在的な問題を十分認識していたと指摘した。
(看中国記者・苗薇/翻訳・藍彧)