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 武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症、COVID-19)の流行は世界経済に大きな打撃をもたらした。一部の日本企業は閉鎖と人員削減をせざるを得ない。日本で働く香港人もその影響を受けた。解雇または会社が苦境を乗り越えるために給与削減を迫られた。異国の地での生活は困難に満ちているが、自由を失う恐怖は上回っている。香港への国家安全法の導入に対し、香港の人々は、「日本にいたほうがまし」と口を揃えた。

 日本で観光業に就職している香港人のK(仮名)さんは、残念ながら3回も解雇されそうになり、給与削減を強いられた。 Kさんは今年2月末、肺炎により会社の収入が大幅に減り、上司が人員削減を決めたことを話した。「私は再び呼び出され、会社にはあまり多くの人員を必要としていないと告げられた」とKさんが当時を振り返った。Kさんは在職する意思を強くアピールし、良い評価を得られるためにさらに仕事に没頭した。しかし、彼の会社は経営状況の悪化により3月中旬に3回目の人員削減会議を開いた。Kさんは仕事態度が他の同僚よりも優れていると上司に評価されたため、無事居残った。

 失業こそ免れたものの、給与が20%減少となり生活に支障が出た。減収にかかわらず、毎月の税金や家賃などの固定費の減額や免除がない。現在、Kさんは食費などを節約して生活しており、「あまりいいものは食べられない。鶏肉一パックでも何日かけて食べているのだ。これから何が起きるのかがわからない」と窮状を明かした。Kさんは経済が回復されるまでに将来のことを考えて毎月一部のお金を応急資金として貯めている。

 異国の地にいながらリストラに遭うというのは紛れもなく悲しく感じることだ。Kさんは数回に渡る退職面談で非常に辛い思いをしたと述べた。「毎日涙を流し、不眠症を抱えていた。休暇中であっても、会社に行ったら悪い知らせを聞くのを恐れて不安だった。」日本での生活は苦しいが、Kさんは香港には戻らないと断言した。なぜなら、政治に原因があると説明した。特に北京当局が現在推し進めている国家安全法、「昨年の逃亡犯条例の抗議デモからすでにわかった。香港にはもう言論の自由がない」とKさんが嘆いた。

 日本に来た当初、Kさんは日本で数年間働いたら家族のために香港に戻る計画だった。しかし、今は未来が見えない香港に比べ、日本でチャンスを探すことにした。「会社は年末まで廃業状態で、上司は乗り越えられなければ来年春には会社が潰れると公言した。」

 Kさんが苦境を乗り越えるのにまだ先が長いようだ。パンデミックが発生するたびに観光業が真っ先に影響を受けるため、将来的に観光業から退き、今は他の出口が見つかるように自分の付加価値を高めるという。

(翻訳・北条)