海外に住む中国青海省の中国人民政治協商会議(政協)の元委員王瑞琴氏は22日、中国国内の親族との関係を義絶するという声明をネット上で発表した。
王瑞琴は両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)開催期間に公開状を発表し、習近平の罷免を要求した。そのため、国内の家族や親族が政府から悪質な嫌がらせを受け、会社の資産が凍結されたなどとして、親族に影響を及ぼさないように関係を断つと発表し、さらに北京当局の連座制を非難した。
台湾国際放送によると、王瑞琴は2018年に中国を離れたという。香港科学技術大学の社会科学助教授成名氏が自由アジア放送局のインタビューに対し、王瑞琴の公開状は一部の中国人の不満を反映しており、中国人全体の不満もますます大きくなるだろうと語った。
武漢肺炎のパンデミック以来、習近平氏はかつてない政権危機に直面している。肺炎の影響で、両会の開催は今年5月21日に延期され、最も物議の多い両会となった。総理李克強氏の「中国の6億人の平均月収は1000元(約1万5千円)しかない」という発言で、習氏との内紛疑惑に火をつけた。習氏の更迭を求める公開状が相次いで出ている。
市民行動の提唱者許志永博士は2月、習氏の更迭を求めた「更迭要請書」を公表した。それに続いて中国共産党の紅二代(太子党)である任志強は、北京当局が武漢肺炎で失職したことを批判し、習氏を「裸の王様」であると暗示した文章を発表した。両会前、鄧小平氏の息子鄧朴方の名で発信された公開状がネット上で流れ、同公開状には、習氏に対する15の疑問が提起され、両会の代表に「権力者は一人に決められ、中国は皇室世襲制なのか」と問いかけた。6月初め、中国共産党中央党校の元教授蔡霞氏が、習氏を「暴力団のボス」と称した演説動画が公開された。現在、任志強氏はすでに数ヶ月間拘束されており、許志永氏は6月20日に逮捕された。
以下は王瑞琴の声明文:
私王瑞琴は中華人民共和国の国民で、2020年5月21日に中国両会が開催された際、全人代代表と政協委員への公開状を発表し、習氏の罷免を呼びかけた。その後、中国にいる家族と親族は政府の関連部門に意図的な悪質な嫌がらせを受け、仕事と生活に深刻な影響をもたらした。さらに、中国における会社の資産が凍結され、財務関係の手形は全部差し押さえられた。
このため、私は子ども、兄弟姉妹、血縁関係者やその家族など、すべての親族との関係を断ち切り、これ以上接触しないことをここに厳粛に宣言する。
私は民主を追求し専制政治に反対している。これに関わる言動はすべて個人的行為であり、他の人とは一切関係がない。私の言動に対し本人がすべての責任を負い、無実者への連座は恥ずべきであり、効力がないことをここで声明する。
王瑞琴
2020年6月22日
(看中国記者・林中宇/翻訳・藍彧)