中印国境の風景(イメージ:flickr / BentheCM パブリック・ドメイン)

 USニューズ&ワールド・レポート(U.S. News & World Report)6月22日の報道によると、中印国境での軍事衝突事件は、上将階級の中国軍西部戦区の趙宗岐(ちょう しゅうき)司令官が襲撃行動を許可したことが原因だったことが明らかになった。この衝突は、緊張が突然暴走したためではなく、北京が意図的に命令したもので、インドに実力を見せつけることが目的だった。

 米情報筋によると、6月15日、武器を持っていなかったインドの大佐1人と兵士2人がインド代表団として同数の中国軍の代表と面会し、撤退を協議する予定だった。しかし、とげのついた鉄棒で武装した数十人の中国兵士に待ち伏せされ、攻撃をされた。他のインドの軍人たちが支援に駆けつけ、衝突が激化したとのこと。

 しかし、中国の公式メディアは、衝突の責任はインドにあると最初に非難した。中国外務省の趙立堅報道官は記者会見で、6月15日夜、インドが中国領土に対して一連の挑発行為を行い、さらに中国の軍人を攻撃したと述べた。

 民間の地防情報会社ホークアイ360(Hawkeye 360)によると、5月下旬から収集した衛星画像では、中国が装甲車とトラックを集めていたようだという。

 北京はその後の交渉で、インドを中国に服従させようとしたが、展開が裏目に出たようだった。今回の事件でインドは中国への抵抗感が増し、米国との連携を強める結果となった。インド国内でも激しい怒りに火をつけたため、明らかに中国の誤算だった。

 米国は数ヶ月前からインドの5 G建設において、中国電信大手のファーウェイの参加を拒否するようインドに圧力をかけた。 先週の衝突後、インドでは携帯電話から国際版の中国系アプリティックトック(TikTok)などを削除し、中国製の携帯電話をも廃棄する運動が起きた。

 「これは中国共産党の誤算だった」と情報筋が言った。

(看中国記者・文可伊/翻訳・藍彧)