三峡ダム建築前と建築後の鳥瞰図(NASA/パブリック・ドメイン)

 最近、中国では豪雨が多発しており、三峡ダムの水位が上昇し続けている。洪水防止の制限を超え、危険水位を2メートル近く超えたことがダム崩壊の可能性を高めた。中国のネットユーザーは三峡ダムの品質と洪水防御能力に関する中国公式メディアの今までの報道を掘り出し、三峡ダムの洪水防御に対する自信が「この上なく堅固である 」から「期待できない」に変わったと感慨した。

 中国中央テレビ局(CCTV)経済番組21日の報道によると、20日の三峡ダムの流入量は26,500立方メートル/秒になり、19日より6000立方メートル/秒増した。現在、貯水池エリアの水位は147メートル近くで、危険水位を2メートル近く超えた。

 2003年に新華通信は三峡ダムを報道したとき「三峡ダムはこの上もなく堅固で、万年に一度の洪水を防げる」という見出しで、ダムの品質が完璧だと強く宣伝し、さらに三峡ダムの工事合格率は100%であると強調した。

 2007年、新華通信は「三峡ダムは今年から千年に一度の洪水を防げる」いう見出しで、三峡ダムは千年に一度の洪水を防げると強調した。

 2008年、新華通信は「三峡ダムは百年に一度の大洪水を防げる」という見出しの文を出した。三峡ダムの建設は非常に重要なマイルストーンであり、百年に一度の大洪水を防げると口調を改めた。

 2010年、CCTVは長江水利委員の蔡其華主任の言葉を引用して「すべての希望を三峡ダムに託すことはできない」と強調した。

 三峡ダムの洪水防止基準の変更について、「人民日報」は2010年に三峡ダムの水利中枢梯級管理通信センター副主任の趙雲発の言葉を引用して「三峡ダムの洪水防止基準は変わっていない。ダムの『設計基準』は千年に一度の洪水を防ぐことができる」と言い訳した。実際には、三峡ダムの工事は設計の基準に達していないと認めていた。

 一部の中国ネットユーザーは、中国公式メディアの2003年から2010年の間に、三峡ダムの洪水防止能力についての報道を掘り出して「中国共産党よりもっと恥知らずな政権はあるのか?」「三峡ダムはますますあてにならない」「これは時代と共に発展するという中国の特色か」とあざけた。

 他の多くのネットユーザーが「ファイアウォールを作れた時点で、すでに自棄したのだ」「低知能ジョークだ」「武漢肺炎の死亡者数などのように、中国の公式の話ではいつも100倍をかけるか100倍で割るかのどっちかで偽りばかりだ」と書き込んだ。

 「ダムは中国政府が作ったものだが、国民にいつでも避難できるようにしておくことを求めている。問題は人工洪水の場合、避けられるか?大勢の命のために、もうこれ以上悪事をしないでほしい」と言う人もいた。

(翻訳・藍彧)