中央社によると、豪州中国問題専門家のクライブ・ハミルトン(Clive Hamilton)氏が16日に中共政権が「一帯一路」を世界に広めることで、「言論統制」という目的を達成し、世界の民主政治を転覆させる手段を記した本を発売した。
本のタイトルは『隠された操舵手-中共がどのように世界を操っているかを暴露する』(意訳)で、英語の書名が『Hidden Hand: Exposing How The Chinese Communist Party Is Reshaping The World』となっている。チャールズ・スタート大学(Charles Sturt University)教授のハミルトン氏とドイツマーシャル基金(German Marshall Fund)の研究員オールバーグ氏(Mareike Ohlberg)の共著である。
ハミルトン氏は15日、オーストラリアラ放送協会(ABC)のインタビューで、「この本は中共がいかに『一帯一路』の投資を通じて、各国とメディア協力協定を結び、文化機関の連携し、姉妹都市を結ぶことや、人と人の交流を促進し、最終的に「言論統制」(discourse control)という目的に達成するかを解析している」と話した。
また、「『一帯一路』は貿易投資計画のみならず、民主政治を利用した民主政治を覆す戦略でもある。その目的は中国が必要とする世界的な言論のコントロールを実施することにある」と彼が強調した。
本の中には、中国共産党がいかに自分たちの利益のために民主主義を弱体化させ、世界中の人々の権利を侵食し続けてきたかを詳述している。オーストラリアのビクトリア州政府を例にとって、「一帯一路」の協力国の言論に対する影響を明らかにした。また、中共は世界保健機関(WHO)、さらには国連などの国際機関に対しても同様の「言論統制」をどのように実施するかについても言及した。
同氏は、米政府が孤立主義とWHOなどの国際組織から脱離する作戦は、北京が隙を乗じて、国際機関を完全に支配する機会に繋がりかねないと警告した。
(翻訳・北条)