アメリカ海軍の航空母艦ニミッツ (USS Nimitz, CVN-68) (パブリック・ドメイン)

 近日、米海軍の三つの空母打撃群が同時にインド太平洋海域に現れた。これほどの大規模での出動は3年ぶりとなる。米中の緊張関係がエスカレートする中、これは中国への警告と見られている。

 現地時間6月8日、空母ロナルド・レーガン(USS Ronald Reagan, CVN-76)は母港の横須賀を離れ、インド太平洋に向かった。空母艦隊ニミッツ(USS Nimitz, CVN-68)も同日、サンディエゴから西太平洋に向けて出発した。空母ルーズベルト(USS Theodore Roosevelt, CVN-71)艦は6月4日、グアムのアプラ港を離れ、引き続きインド太平洋に配備される予定だ。

 米中関係が複数の問題で緊張感を増している中、米海軍は異例な実力を見せつけたのである。米国は、北京が中共ウィルス(新型コロナウイルス)の情報を隠蔽し、世界的なパンデミックを引き起こしたと批判した。米国は、中国が「香港版国家安全法」によって香港に対する締め付けと監視を強化し、香港の「一国二制度」という自治公約に違反して香港人の自由と権利を破壊しようとしているとして、中国に対する数々の懲罰的措置をとってきた。さらに、中国が南シナ海で人造島礁を建設し、軍事用途に供していることは、米国だけでなく多くの国々に不安を与えている。

 中国政府と国営メディアは、ウイルスの発生源は中国であるという判断は科学的な証拠がないとして、米国が責任の押し付けをしていると反論した。北京がウイルスの発生源に関する国際調査を拒否したことについて、政治的な問題だと述べた。「香港版国安法」については、中国の主権範囲内の問題として、米国は干渉する権利がないと反論した。

 米国のシンクタンク戦略と国際問題研究センター(CSIS)の研究者ボニー・グレイザー(Bonnie Glaser)氏は、「中国では最近、中共ウイルスの流行により米軍の準備レベルが低いであろうという言論が出てきている。今回の米海軍の行動は中国に状況を見誤らないようにという合図なのかもしれない。中国は今回の米海軍の行動を米国の挑発とみなし、米国をインド太平洋地域の不安定要素であると見なすだろう」と言った。

 アメリカ海軍の指揮官は、「他の数十隻の海軍艦船が太平洋近くで動いているが、3つの空母打撃群は同時に集結したのは、この地域とその同盟国に対するコミットメントを強調している。特に中国と対抗するタイミングを把握している」と表明した。

米海軍の三つの空母打撃群が同時にインド太平洋海域に現れた:

https://youtu.be/ojBBxSbrkfU

(翻訳・藍彧)