米国は台湾に提供しているM1A2戦車(イメージ:パブリック・ドメイン)

 中国と台湾の関係が緊張している中、中国当局は台湾周辺に軍用機を送りつけ、さらにメディアで「台湾を武力で統一するのに24時間でできる」という。6月7日、フォーブス(Forbes)雑誌に投稿した軍事アナリストは、中国海軍はここ20年で急成長したが、台湾を侵略するには無理があると指摘した。
 
 軍事アナリストのサットン氏(H. I. Sutton)は、中国軍が台湾に向けて戦争を発動した場合に直面する問題を挙げた。水陸作戦に詳しい軍事アナリスト、フリードマン氏(B. A. Friedman)の分析を引き合いに出して、中国の台湾上陸戦は必ず「激しい抵抗」に遭うと分析している。サットン氏は台湾上陸戦はおそらく史上1や2位を争うぐらい厳しい戦いになると予測している。なぜなら、台湾は数十年間戦争に向けて備えており、潜在的な上陸地点を網羅した抵抗計画を立てているからだ。さらに、台湾は海軍の装備をアップデートし続けており、国際的に孤立される立場にありながら、海外での武器購入に力を入れ、「潜水艦の国造」計画を進めているそうだ。
 
 サットン氏は、中国軍は戦備があるものの、実戦経験が乏しく、水陸作戦の経験もないとし、そのうえ外国の軍事援助が介入するまでに勝負をつけなけれならないという時間的なプレッシャーに晒されていると指摘した。もし米海軍の潜水艦が加わると、太平洋における空母をいとも簡単にハンティングすることができ、中国海軍はより戦闘経験が豊富な米海軍には到底対抗できないであろうと述べた。
 
 数日前、米国国防総省の高官ハイノ・クリンク(Heino Klinck)氏は、メディアの「中国が台湾に対し武力行使した場合どう対処するか」との質問を受けた。米国は台湾と中国の非対称的な防衛能力に注目しているとしたうえ、台湾への支持は単なる象徴的なものではなく、F-16戦闘機、M1A2戦車を提供していることを明らかにした。ほかにも戦闘機や戦車ほど魅力的なものではないかもしれないが、中国軍を撃破するのに非常に有用な兵器も販売しているという。また、国防総省は「台湾関係法」及び「2020年度国防権限法」に厳守し、台湾の自衛能力を引き続き確保していく方針を示した。

 米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、クリンク氏の発言を引用して、「米国が全世界における軍隊は紛争糾弾の抑止という目標を掲げており、確実な実力のもとに応急計画も備えている」と報じた。
 
(翻訳・藍彧)