英BBC7日付けの報道によると、英保守党議員、下院外交特別委員会委員長を務めるトマス・タジェンダット(Tom Tugendhat)氏は中国共産党の浸透と拡張に対応する5つの提議を示した。
香港への国家安全法導入をめぐり、英国政府は英国海外市民旅券(BNO)を所持している香港市民の権限を拡大し、イギリスでの市民権取得につながる体制を整えている。しかし、それは英国国内にとどまり、グローバル的な範囲での共産党政権を制裁する戦略を打ち出さねばならない。トマス氏は中国共産党政権の影響を排除するために、英国政府に5つの議案を提出した。その一つは教育体系における思想の自由を守るため、中国人留学生が北京の指示に従って思想の自由を脅かす行為をすれば、退学させるべきであるというもの。その他の4つの対策は、英国内の企業が外国国家資本に買収されないようにすること、医療用品などの物資を1か国に頼りすぎないように警戒すること、英中貿易を継続しながらグローバル的な貿易に力を入れること、英国の電子通信業の独立を守ることである。
現在英国における外国人留学生の割合は、中国人が3分の1を占めており、多くの大学にとって重要な収入源となっている。英国政府は外国人留学生の多元化を促し、インドなどの民主国家の学生を積極的に受け入れるなど、教育体系の自由な思想を守らなければならないとトマス氏は述べた。
BBCによると、今年度初め、英国ウォーリック大学の学生会は「香港の抗議を応援し、校内言論の自由を守る」という議題を提出したが、2千名あまりの中国人留学生による投票で否決され、却下された。後に、これらの留学生はウォーリック大学に新しく成立された「中国学生学者同窓会」という組織による指示を受けたことが判明。この組織は中国大使館による直接的な管理を受けており、大学には属さない。
昨年、英国下院外交特別委員会が発表した報告によると、中国共産党は「中国人留学生団体」を利用し、英国にいる中国人留学生を監視しているという。これらの団体の一部の資金は中国政府が出している。名義上、中国人留学生の面倒を見ているが、裏では中国大使館に学生の近況を報告しているほか、中国でタブーとされている話題に触れさせないようにしている。
(翻訳・北条)