(イメージ:YouTubeスクリーンショット)
中国で最近、「露店経済」が注目を集めています。「露店」とは屋台のことで、中国語は「地攤(ディータン)」になります。中国の屋台は種類が豊富で、ザリガニなど、日本ではあまり見られない食べ物も並んでいます。管理当局は今、露店経済に急速に力を入れ始めているのです。
李克強首相が1日、山東省の視察で屋台街を訪れ、「小規模店は雇用の源で、中国の活力だ」と称賛しました。また、全人代(全国人民代表大会)閉会後の会見で、中国西部の街では、3万6000台の露店ペースを確保してその結果、10万人分の雇用が生まれたと主張しました。
中央政府が「露店経済」の活性化方針を示す中、一部地域では早くも弊害が出ているようです。遼寧省大連市の夜市では交通渋滞が発生したほか、ポリ袋や使い捨て食器が道路に散乱している様子がSNSなどに投稿されました。市政府はすでに、問題となった夜市の一時閉鎖を決めました。
また北京市当局が道路の占拠や出店設置などの違法行為を厳しく取り締まる方針を打ち出しています。北京日報は、「露店経済は北京には適さない」と指摘し、「北京市は中国の首都であり、国のイメージを代表している」と強調しました。
このほか、共産党中央宣伝部が管轄する国営テレビのCCTVは7日、「露店経済は万病に効く霊薬ではない」とし、都市ごとの状況に応じて対応すべきだと伝えました。これについて一部メディアでは、「露店経済を巡り、中央当局内でも見解が一致していないのでは」と報じています。
さて、中国の露店経済の行方はどうなるでしょうか。今後の展開に注目しましょう。