香港警察暴行の事件簿データベースのホームページ

 中国の「全国政治協商会議」と「全国人民代表大会」(全人代)がそれぞれ5月21日と22日に北京で開催された。「全人代」で審議される数多くの事柄の中で、「香港国家安全法」という法律案が特に注目されている。また、この二つの会議が開催される前に、アメリカ合衆国国務長官マイク・ポンペオ氏は記者会見において、アメリカ社会の対中姿勢は変化するだろうと表明した。

 今回の「全人代」では香港に「国家安全法」の導入が検討されている。中国共産党政権は「香港特別行政区基本法」に同法案を導入し、言論の自由を制限することで、反共産党言論及び反共産党活動を封じ込めるという狙いがある。

 同法案が成立した場合、香港の高度な自治と民主主義が脅かされる。過去にもこうした試みがあったものの、失敗に終わった。2003年7月1日、「23条立法に反対する」デモに50万人の香港市民が参加し、このデモによって23条立法の法案が撤回された。

 中国共産党政権は今回の全人代で、香港の立法府を経由することなく、「香港国家安全法」を採決しようと試みている。この法案が可決されれば、香港の行政長官は立法府による採決を得ずに反共活動を禁止する行政法令を制定することができる。

 香港の現行法では、行政長官が制定した全ての行政法令は、香港の立法会(議会に相当する)の審査と許可をもらえなければ法律上有効とならない。しかし、「香港国家安全法」が成立した場合、行政長官が制定した法律はすぐさま有効となり、民主主義的な制約が不可能となる。これが「香港国家安全法」によって香港の自由と民主が完全に失われてしまうと危惧されているゆえんである。

米国の対中姿勢にも大きな影響

 英国放送協会(BBC)21日の報道によると、アメリカ合衆国上院は5月20日に一つの法案を可決させた。この法案により、米証券取引所に上場する中国企業は米国の財務監査を受けなければならない。現在、多くの中国会社が米国の株式市場に進出し、様々な「詐欺的手段」を用いて莫大な利益を得ているという指摘がある。この法案の成立は米国株式市場から中国企業を駆逐し、米国株式市場の秩序を取り戻す働きがある。

 ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)21日の報道によると、米国政府は台湾に合計金額1.8億米ドル(約193億円)のMK-48大型魚雷を販売した。この魚雷は優れた静粛性、操作性及び速さなど性能を有し、空母をも撃沈できる強力な兵器だ。MK-48は現在アメリカ海軍の潜水艦の主要武装となっている。蔡英文総統が5月20日に総統に就任した際には、米国政府は祝辞を送り、さらに魚雷の販売を許可することで台湾に歩み寄る姿勢を見せた。

 5月20日、アメリカ合衆国国務長官マイク・ポンペオ氏は記者会見で、米国国民と米国マスコミが新型コロナウイルスに注目している、中国共産党の脅威を無視しないようにと呼びかけた。1949年から中国は残虐な権威主義政権、すなわち共産党政権にコントロールされている。この数十年間、アメリカは貿易と科学の交流を介して中国共産党政権を変えようとした。しかし、中国共産党政権の邪悪な本質は変わらなかった。ポンペオ氏は、中国共産党政権が香港に対して強硬な措置を出した場合に、香港の独立関税地区の資格が失われる可能性を示した。

(看中国記者・黎宜明)