中国の健康コード(ネット写真)
4月20日、ある中国人女性が「(中国の)健康コードは自分の健康を証明するために使用されるものではない。90%の人が本当の目的を理解していない」と訴える動画がアップロードされ、注目を浴びた。
その女性は動画でこう話している。「これ(健康コード)は我々の健康を証明するものではなく、我々の移動履歴を記録するために使用される電子IDカードだ。たとえば、あなたが市場やショッピングモールに入る際、健康コードをスキャンされ、もしその場の誰かが武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症、COVID-19)と確診された場合、バックグラウンドでは感染者と同じ時間帯でその場所にいる全員が特定され、そして全員のコードが緑から赤に変わる。これはまだひどいことではない。ひどいのは、コミュニティの人々はあなたを敵のように扱いはじめ、家まで来て、強制的に体温測定して、家から出させて自費で集中隔離させられることになるのだ。」と述べた。
いわゆる健康コードとは、個人の健康状態をデータ化にするプログラムで、感染するリスクに応じて住民を「赤・黄・緑」の3つのランクに分類するものだ。発熱、陽性反応、及び感染の疑いがある場合は赤いコードが表示され、14日間の行動を制限され、自宅療養または集中隔離になる。感染者と接触がある場合は、黄色いコードが表示され、7日間の行動を制限され、自宅療養または集中隔離になる。緑のコードは健康な人を示すもので、自由に行動できるという。
「健康コード」はIT大手のアリババ社が開発した「アリペイ健康コード」から由来するものであり、その後テンセント社のウェチャットも同様のシステムを開発し、中国で200以上の都市に採用された。中国本土のホテル、レストラン、ショッピングモール、さらには一般のコミュニティに入る際、「健康コードを見せろ」というセリフがあちこちで聞こえる。
CNNの記者が上海での体験によれば、彼は最初から最後まで何の検査も受けていなく、検査員は彼の健康コードが緑色であることを確認しただけで通行を許可した。健康コードのアプリは、スマホの位置情報を使用し、感染者に近づいたことがあるかを判断する。距離的に近くなると、緑色から黄色に変わることがある。
つまり、健康コードは「居場所確認」のためのアプリであり、「検査結果を提示する」ためのものではない。ユーザーの健康状態を判断するのは医師ではなく、ビッグデータとAIだ。
世論の広範な疑念に直面し、「健康コード」の公式ウェブサイトと中国当局は曖昧な反応しか示さなかった。ただし、ニューヨークタイムズのソースコード分析によると、ユーザーは申請時に個人情報へのアクセスを許可し、さらに居場所や識別コードを含む個人情報を治安当局のサーバーへ送信することとなる。
(看中國記者・黎小葵/翻訳・玉竹)