地金(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 ロシアメディアによると、東ヨーロッパの内陸国モルドバ(Moldova)の31歳の大学生セルゲイ・スデフ(Sergey Sudev)氏は、ドイツの遠い親戚より9.5億ユーロの遺産を相続し、一夜にして億万長者になったという。

 モルドバ・コムラット市出身のスデフ(31)氏は、同市の大学のジャーナリズム学科の大学生で、アルバイトとしてラジオ局でポップミュージック番組の司会者を勤め、月150ユーロの収入しかなかった。

 貧乏者のスデフであったが、ドイツにお金持ちの遠い親戚がいた。その56歳の遠い叔父は、ドイツに数億ユーロの資産を持ち合わせながら、ドイツの銀行の筆頭株主でもあり、不動産業界の大物でもあった。

 スデフは、「1998年インターネットでこの遠いおじさんを見つけた。おじさんにメールをしてみたら、すぐ返事が来て、ドイツに遊びに来てねと誘ってくれた。ドイツに会いに行った時は、おじさんは暖かく迎えてくれた。「お金をください」なんて一度も言っていなかったけど、おじさんはその後、時々仕送りをしてくれた。100ユーロか150ユーロのお小遣い程度だが」と思い出を語った。

 スデフはそのおじさんに2回しか会わなかった。おじさんは死後、スデフに9.5億ユーロの遺産を相続させるという遺言書を残した。

 心臓疾患で他界したおじさんは56歳だった。その1年後、おじさんの弁護士はコムラットに行き、遺言書を発表した。遺言書を聞いたスデフは耳を疑った。遺言書によると、スデフはドイツの銀行の筆頭株主になっただけでなく、おじさんが所有したすべての動産と不動産も相続することになった。スデフは一夜で貧乏な学生から億万長者になった。

 スデフが莫大な遺産を相続したことが、25000人の人口を持つコムラット市で一番の話題になった。民衆だけでなく、政府まで驚いたという。なぜなら、9.5億ユーロはモルドバの一年分の国家予算に相当するからという。

 市政府は緊急会議を開き、新しい億万長者とどう付き合うかを議論した。スデフがこの莫大な財産をどのように使うか、自分の故郷に寄付してくれるかどうかを議論した。

 スデフは、おじさんの指定した弁護士から遺産の相続のことを知ったと、記者の取材に述べた。億万長者になるスデフは、ドイツに行き、法的文書の署名や財産の登録をする必要があるという。

 スデフは、友達からの借金依頼が多くなった以外、生活に何の変化もなかったと述べた。

 スデフは、「少なくとも今は、この財産のせいで、面倒なことと頭痛しかない。突然の富で面倒なことをするのは嫌いだ。もう以前のように自由に外に出ることができなくなった。今日、たばこを買おうと思って売店に行ったら、一瞬で人混みに囲まれて、様々なことを聞かれて、おめでとうと言ってくれて、そしてお金を貸してと言われたのだ」と語った。

 遺産には、9.5億ユーロの資産のほか、あるドイツの銀行の支配権や、貴金属とジュエリー、ドイツ・イタリア・フランスに位置する多くの不動産も含まれているという。

(翻訳・常夏)