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ギリシャは人類の文明発祥の地の1つであり、その土地には無数の文化財や史跡があります。 2009年10月、イギリスとギリシャの合同探検隊の発見は、世界の考古学コミュニティに衝撃を与えました。このチームは、ペロポネソス半島の南端にあるネアポリス近くの5,000年前の古代都市を発見したのです。
英ガーディアン紙によると、イギリスとギリシャの考古学者たちは都市をパブロペトリ(Pavlopetri)と名付けました。パブロペトリは規模が大きいだけではなく、その歴史はホメロスの叙事詩に搭乗する英雄たちの時代まで遡ります。
ノッティンガム大学の水中考古学の准教授であるジョンヘンダーソン博士は、次のように述べています。「この古代の都市は、間違いなく、世界で最も古い水中の町です。その遺跡は紀元前2800年まで遡ることができます。 最初の1200年間は古代ギリシャの全盛期よりも古いという計算です。世界には古代の水中遺跡がありますが、パブロピトリのように計画された町ではないため、この町はユニークです」
パブロペトリの敷地は約30,000平方メートルの面積をカバーしており、紀元前1000年頃に海底に沈んでいたと考えられています。50年以上前にイギリスの海洋学者によって発見されましたが、デジタル技術の助けを借ることによってはじめて、考古学者が詳細な調査を実施できるようになりました。
パブロペトリには、住宅、中庭、大通り、墓地、宗教的な建築群が含まれています。何千もの陶器の破片も海底で発見されました。
ヘンデルソン氏は「私たちは、石器時代の終わりまでさかのぼる陶器を発見しました。つまり、この町は約5,000年前、当初考えられていたよりも1200年前に存在していたということです」と述べました。
ヘンデルソン氏はまた「9,000平方メートル以上の新しい建物が見つかりました。最も驚いたのは、長方形のホールを備えた巨大な記念碑である「メガロン」の発見でした。これは、町がかつてエリートグループによって統治されていることの証明です。この都市の地位を過小評価することはできません。」と述べました。
海洋地質学者はこれまでのところ、町が沈む理由を説明できていません。 一部の理論では、海面の変化、地震による地面降下、津波などが原因であると考えられています。
ギリシャ海洋研究所のディミトリ・サクラリオ氏は、古代都市の沈没は最初の2つの要因の組み合わせの結果である可能性があると述べました。 彼は「パブロペトリは世界で最も古い沈没都市として驚くべきものです。それはその時代の人々がどのように暮らしていたのかを私たちに示しています。」と述べました。
パブロペトリは考古学者がギリシャ海域で見つけた最初の海底都市です。そのため、この発見は考古学コミュニティに大きな衝撃を与えました。
(翻訳・新谷 弘雄)