3月28日に発生したミャンマーの大地震により、タイ・バンコクに建設中の高層ビルが一瞬で崩壊しました。このビルの施工を担当したのは、中国の国有企業である中国中鉄十局(ちゅうごくちゅうてつじゅうきょく)であったことから、世論は中国共産党が「おから工事」を海外に輸出し始めたと嘲笑されています。

 海外に新たに登場した「おから工事」に比べて、中国国内での「おから工事」はすでに枚挙に暇がない状態です。
ネット上での露出と公式に確認された情報を総合すると、数十年間にわたり、中国の建設工事では頻繁に品質に関する問題が発生しており、その状況は驚くべきもので、近年さらに多発しています。

橋や堤防、高速道路などに問題が続出

 2025年2月15日、湖北省のあるネットユーザーが公開した動画によると、湖北省江陵県(こうりょうけん)で新しく完成した橋が開通して間もなく歪んでしまったと報告されました。2月16日、江陵県の水利局(日本の国土交通省河川局に相当)の職員は、この橋はまだ正式な検査を受けておらず、試運転だけが行われたと説明しました。その職員によれば、橋脚に沈下が発生しており、現在は修復作業が行われているとのことです。2月17日、地元政府は橋の橋面が部分的に傾いており、全面的な封鎖・管理を実施すると発表しました。

2月23日、四川省成都市のある河川の防護柵(ほごさく)の充填材が発泡であることが明らかになりました。本来、防護の役割を果たすべき防護柵がこのように脆弱であることに、地元住民は驚きと怒りを覚えました。

 2月26日、あるネットユーザーが動画を公開し、浙江省衢州市(くしゅうし)で新しく建設された高速道路がまだ開通していないのに、道面に亀裂が入り、路盤が沈下していることを明らかにしました。

 地元政府の職員は、この道路はまだ開通していない村道で、検査も受けていないと説明し、すでに調査に向かわせたと述べました。その後、動画の投稿者は、地元政府が彼に連絡を取り、動画を削除するよう求めてきたと話した動画を投稿しました。

不正行為を報告した結果

 2024年11月12日、中共の新華社傘下の「経済参考報」の記者2人が調査・取材の末、安徽省の合新高速鉄道の建設で使用された建材が「規格外」の劣悪な材料を使ったことを報じました。

 記者2人は12月14日の午後、再度その高速鉄道の工事現場を訪れ、取材を試みた際、施工を担当している中国鉄路七局の従業員に暴行を受けました。その後、施工を担当している中鉄七局は声明を発表し、暴行を行った職員には処分を行うとしたものの、高速鉄道工事での手抜き工事問題の解決策については一切言及しませんでした。

 最近、建設中の四川省成都市、達州市、重慶万州区を結ぶ成達万高速鉄道の工事が、作業員によって手抜き工事を行っていると実名で告発されました。

 2025年1月6日、中国のメディアによると、内部告発者の漆(しつ)さんは、中鉄二局が担当する資陽区間の施工に従事していると述べました。彼は「下部構造の作業中に手抜き工事が行われており、鉄筋が設計図よりも40~50センチメートル短く、コンクリートの使用量も減らされていた。こんなおから工事が施工検査に合格するなんて信じられない」と語りました。漆さんは中鉄二局と成都鉄道監督管理局に何度もその問題を訴えましたが、解決には至らなかったため、ネット上で実名で告発することにしたといいます。

 しかし、メディアの記者に対して、中鉄二局成達万プロジェクト指揮部の責任者である黎さんは「(あなたたちは)彼(告発者)に直接聞いてください。この件については外部には話せない」と述べました。

地下鉄の手抜き工事

 中国の地下鉄でも同様に、近年、手抜き工事の事件が相次いで発生しています。

 2017年3月、ある電線の従業員が「西安地下鉄、まだ乗れる勇気はあるか」というタイトルの投稿を公開しました。この投稿では、西安地下鉄3号線には安全上の問題が存在し、事故のリスクがあり、全線で使用されている電線に手抜き工事が行われている」と指摘されています。公式調査によって、この内容は事実であることが確認されました。

 2019年12月12日の夜、アモイの地下鉄古地石駅(こちせきえき)で大規模な崩落が発生し、駅が水浸しになりました。公式には、閉じ込められた人はいなかったとされています。これは、同月初めに広州地下鉄で発生した崩落事故で3人が埋まった後の、2件目の地下鉄施工事故となります。なお、アモイ地下鉄2号線は、その年の11月28日にようやく落成検査を合格したばかりでした。

住宅の「おから工事」、物件所有者が弾圧される

 中国では住宅建築に多くの問題があり、ネット上では新築の分譲住宅が倒壊したという報告が頻繁に上がっています。しかし、「おから工事」の家を購入してしまった場合、苦情を申し立てても何の結果も得られないケースが多いです。そのため、あるネットユーザーは「中国の家は、所有権が70年、住宅ローンの返済が30年、耐用年数が20年だ」と述べています。

 2023年11月20日、重慶市で「格林春岸」というおから工事の分譲マンションの所有者が開発業者の販売所に来て抗議活動を行った際、現場の警察は所有者に対して「録画をやめろ、さもなければ逮捕するぞ!」と警告しました。

 2024年11月23日、浙江省義烏市青岩傅村で、購入した住宅がすべて「おから工事」だったため、大勢の所有者が工事現場に集まり、抗議活動を行いました。その後、特別警察により強制的に排除されました。

 あるネットユーザーは、この出来事について「おから工事」が中国では政府によって保護されていることを示していると述べています。

中国の住宅、道路、橋には大量の問題が発生する

 2024年5月1日未明、広東省梅州市(ばいしゅうし)大埔県(だいほけん)の梅竜高速道路陥没事故(ばいりゅうこうそくどうろかんぼつじこ)が発生しました。公式発表によると、道路が陥没して車23台が転落し、52人が死亡、30人が負傷しました。事故発生後、公式はこの事故を「自然災害」と位置づけました。

 アメリカの上級橋梁構造設計技師である竹学葉(ちくがくよう)氏は、梅竜高速道路の陥没事故に関する情報を調査した後、大紀元に対し、「これは人為的な工事品質の問題であり、いわゆる自然災害ではない」と述べ、手抜き工事などの問題が関わっている可能性があると指摘しました。

 竹氏は、10年前に既に中国では今後、このような「おから工事」の事故が至る所で発生するだろうと話しました。「最近では、まだ建設が完了していない多くの住宅の壁がひび割れ、地下室からは水が漏れ、数年後には高速鉄道も速度を出せなくなるだろう。鉄道のレールが曲がっていたり不安定になったりするからだ」

 彼はまた、中国のインフラは数十年にわたって急速に発展してきましたが、習近平政権下でさまざまな事故が発生し、もしそれらを一つにまとめてみれば非常に恐ろしい結果になるだろうと述べました。情報が封鎖されているため、多くの人々はそのことを知らないと指摘しました。今後、中国の住宅、道路、橋に関して大量の問題が発生し、特に最近20年間に建設されたものに関しては、事故が増加することは間違いないと予測しています。

(翻訳・藍彧)