最近、中国各地で再び鳥インフルエンザの感染が拡大しており、多くの養豚場では深刻な被害が発生し、豚が大量に感染・死亡しています。さらに、安徽省、山東省、河南省、河北省、遼寧省などでは、「人への鳥インフルエンザ感染」の症例も相次いで報告されており、感染状況は急速に悪化しています。養殖業者の被害は甚大で、社会全体にも不安が広がっています。
また、2025年に入ってからは、各地で「重大動物疫病発生時の緊急対応訓練」が相次いで実施されており、これがさらに市民の間に疑念や不安を呼び起こしています。
3月24日には、あるネットユーザーが「最近、アフリカ豚熱(ASF)の感染が全国的に再拡大しており、特に北部地域での状況は深刻だ」と投稿しました。感染した豚は、高熱が続き、皮膚が赤くなり、耳が紫色に変色、腹部には紫斑が現れるほか、咳、嘔吐、血便といった深刻な症状を示すといいます。中には、目立った症状が現れないまま突然死する例もあり、発症から死亡までが3日以内というケースが大半を占めているとのことです。
すでに3月4日にも、別のユーザーが全国的なASF感染の再拡大を指摘しており、特に福建省、江蘇省、広東省、広西自治区、そして北部地域での影響が顕著であると述べていました。ブロガー「豚おばさん」も、一部の大規模養豚場では感染拡大により「清場(全頭処分)」を余儀なくされ、多数の豚が死亡していると報告しています。
山東省、湖南省、広東省、広西自治区などのネットユーザーも、「隣村の養豚場では連日、死んだ豚を大量にトラックで運び出している」「地元の養豚場では一気に数万頭が死亡」「村全体の養豚業者がほぼ全滅し、感染を免れたのはわずか4軒だけだった」といったコメントを投稿しており、状況の深刻さがうかがえます。
一方で、一部のブロガーは今回の豚熱ウイルスに変異が生じている可能性を指摘しており、従来とは異なる複雑で予測困難な症状が出ていると懸念しています。3月17日には山東省のユーザーが動画を投稿し、「今回の感染では紫斑もなく、咳や呼吸困難も見られないが、発症するとすぐに食欲を失い、治療しても効果がなく、非常に短時間で死亡してしまう」と訴えました。
同様の症状は江蘇省泰州市および泰興市でも確認されており、広西自治区、河南省、広東省のユーザーも、「ウイルスは確実に変異しており、昨年10月から事態は悪化の一途をたどっている」「こちらでも同様に感染が広がっている」「今回ばかりは養豚業者が破産するレベルだ」といった声を上げています。さらに、上海のネットユーザーからは「急性肺炎のような症状に変異しており、人への感染の可能性もあるので注意が必要だ」との警告もありました。インターネット上では、公式メディアが感染情報を隠蔽し、報道を控えていることに対する批判の声が高まっています。
鳥インフルエンザの拡大状況もまた深刻です。ブロガー「山東昊磊生物科技有限公司」は、ショート動画プラットフォーム「抖音(Douyin)」で、「今年に入ってから全国各地で鳥インフルエンザが発生しており、特に山東省では感染が全面的に拡大しており、安徽省や山東省の濰坊地域では家禽の大量死が集中している」と指摘しています。養殖業者の被害は極めて深刻です。
山東省、河南省、河北省などでも、多数のアヒルやガチョウが鳥インフルエンザに感染し、次々と死亡しています。あるブロガーは「両親が苦労して育てた900羽のガチョウが一晩で全滅した。まったく救いようがなかった」と投稿しています。また、最近では東北地方でも鳥インフルエンザが大規模に流行し、アヒルの大量死が発生しているとの報告もあり、胸が痛む状況です。
海外メディア「人民報」は中国のSNS情報を引用し、「安徽省、山東省、広東省、広西自治区などで鳥インフルエンザの感染が広がっているだけでなく、人鳥インフルエンザの症例も報告されており、一部の都市では仮設の隔離病院の建設が進められている」と伝えています。しかし、中国当局は関連情報の公開を抑えており、公的な報道は非常に少ないため、市民は実態を把握できずにいます。
こうした状況に対応するため、最近では山東省淄博市、広東省広州市、甘粛省金昌市、四川省資陽市、江蘇省無錫市および宜興市、福建省福州市永泰県などで「2025年 重大動物疫病緊急対応訓練」が相次いで実施されています。こうした演習の集中実施により、動物疫病の深刻さと社会の安全に対する不安が一層強まっています。
現在、中国本土では鳥インフルエンザやアフリカ豚熱などの動物感染症が大規模に発生しているだけでなく、新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルスなどの人への感染症も同時に広く流行しています。病院や火葬場ではすでに業務が逼迫しており、社会全体が大きな不安と緊張に包まれています。家禽や家畜も相次いで感染し、養殖業者にとっては壊滅的な打撃となっています。
(翻訳・吉原木子)