中国では現在、さまざまなウイルスが流行しており、特にA型インフルエンザの感染が深刻で、中国当局は珍しく「新型コロナウイルスがインフルエンザ化する可能性がある」と認めたと報じられています。

 現在、北京や上海などの都市部では病院の逼迫が続き、各地の火葬場には長蛇の列ができています。河北省では棺おけが品切れになる事態も発生しました。一方で、地方では人口減少の影響により村や町が統合される動きが進んでいます。

 
中国各地の病院が混雑 突然死の増加も

 現在、北京や上海など各地の病院が患者であふれかえり、若者を含む突然死のケースが急増しています。各地の火葬場では長蛇の列が再び見られ、河北省石家荘では棺おけが品切れになる事態も発生しています。しかし、中国の公式はこの実態を隠蔽しています。

 3月13日、中国のTikTok(ティックトック)には、多くの病院が患者であふれることを示す動画が多数投稿されました。

 ある医療関係者のブロガーは、「最近、A型インフルエンザの感染が非常に深刻で、病院は満員である。昨夜亡くなったのは3人で、そのうち1人は30代であった」と語っています。

 ある動画には、広東省恵州市第三人民病院の外来に早朝から多くの人々が受付のために長蛇の列を作っている様子が映っています。

 内モンゴルのブロガー「通遼王小哈(トンリャオワンシャオハー)」は、「このインフルエンザはあまりにも凶悪で、まるで狂った野獣のようである。通遼市(つうりょうし)の人々が多く感染しているだけでなく、全国を見渡せば、南から北まで、どの病院の外来もインフルエンザ患者で埋め尽くされ、言葉では表現できないほどの混雑ぶりである」と述べました。

 今回のインフルエンザの流行について、多くの医師が「今年のA型インフルエンザのウイルスは本当に異常なほど猛威を振るっている」と語っています。

 ある医師は「今日は40人の患者が訪れ、救急救命室の外や病院のロビーにも追加のベッドを設置したが、それでも満床の状態である。まるで2022年の新型コロナ対策が緩和された頃に戻ったように感じる」と話しました。

 多くのネットユーザーは、今回の感染拡大を引き起こしている原因ウイルスはインフルエンザウイルスではなく、新型コロナウイルスの変異株であると考えています。
「これは新型コロナウイルスが変異したものである。数日前に感染したが、数年前と同じように全身が冷え切るような症状が出た」
「今年のA型インフルエンザウイルスは、新型コロナウイルスにそっくりである。症状も非常に似ており、感染力も強いと感じる」
 
次々と人が亡くなっている、若者の突然死も多発

 動画共有プラットフォーム「ガンジンワールド」の「人民報」チャンネルが3月7日に公開した動画によると、最近、河南省や陝西省など各地の住民が次々と人が亡くなっていると明らかにしました。その中には、1980年代生まれや1990年代生まれの若者の突然死も少なくないといいます。

 上海市民の斉さんは、「今、どんなウイルスが流行っているのか分からない。(感染すると)嘔吐や下痢を繰り返し、伝染病だと言われている。最近は突然死が非常に多くなっている。旧正月の頃には、50代や60代の人が2、3人、突然亡くなった」と語りました。

 江蘇省南京市の張さんは、「病院はどこも長蛇の列である。朝から夜まで並び続け、小さな子どもも大人も咳をし、嘔吐や下痢をしている。特に高齢者や体の弱い人は肺炎を発症しやすく、多くの人が亡くなっている。私が知るだけでも5、6人が亡くなった。最初は軽く考えていたが、症状が悪化して亡くなってしまった」と話しました。

 河南省周口市(しゅうこうし)の市民・李さんは、「風邪の患者が多く、鼻水や発熱が次々と続いている。病院は満床で収容しきれない。死亡者も相次ぎ、肺炎や心筋梗塞、脳梗塞を発症し、30代や40代の人が突然亡くなるケースが多発している。何の前触れもなく、急死している。火葬する余裕もなく、密かに埋葬されることもある。毎日死者が出ており、しかもほとんどが若者である」と語りました。

 河南省安陽市(あんようし)の劉さんも、「河南省の多くの地域で火葬場が満杯になっており、田舎では新しい墓が次々と作られている。ワクチンを接種したことで体が弱くなり、病院や診療所は常に混雑している。私が知る限り、今年の農村部では非常に多くの人が亡くなっている。しかし、これらの情報はすべて封鎖されている」と述べました。
 
中国北部6省で村・鎮の統合が進行中

 TikTokのブロガー「小辛説方言(シャオシンシュオファンイエン)」は3月7日、中国の6つの省で村と鎮の統合が進められていると述べました。対象となっているのは河南省、山東省、河北省、黒竜江省、吉林省、遼寧省で、「すでに一部の村では取り壊しが始まっている」とのことです。

 同日、別のブロガー「中愿(ジョンユエン)」は、河南省で政策の試験運用が行われており、人口4000人未満の村が他の村と統合される計画が進んでいると伝えました。

 また、大型のショベルカーが住宅を解体する様子が写っている写真もあり、「村の家屋はすべて取り壊され、他の村と統合された。住民たちは皆、集合住宅に移り住んでいる」との説明が添えられていました。

 河南省のネットユーザーから寄せられたコメント。
「村の統合はもっと早く進めるべきだった。今では1人もいない村もある状態だ」
「1つの県内でも、人口4000人以上の村は数えるほどしかないだろう」
「私たちの村もせいぜい数百人しかおらず、周囲はすべて農地だ」
「こちらでは5つの村を合わせても4000人に満たない。農村には高齢者(60代、70代)と留守児童しか残っていない」

 また、かつての農地を失った農民の収入源を心配するネットユーザーもいます。中国当局が2019年末に発表した統計データによると、中国の1人当たりの耕地面積はわずか1.36ムー(約9アール)です。村の統合後、地元を離れた農民たちは自分の土地を失うことになり、新たな居住地でも土地を再分配されるのは難しい状況です。その場合、彼らの生活はどのように保障されるのでしょうか。

 こうした状況を受け、ブロガー「小辛说方言」は、「今は家庭菜園をすれば何とか暮らせるが、将来的に(村の統合後)貯蓄がなければ、どうやって生活すればいいのか分からない」と懸念を語っています。陝西省のネットユーザーは、「これは農民の生命線を奪う行為だ!」と述べました。
 
中国の人口は本当に14億人いるのか?

 2019年に新型コロナウイルスが発生して以来、中国当局は感染状況の真実を隠蔽してきました。そのため、パンデミックの3年間で中国国内で実際に何人が亡くなったのか、外部にはいまだに明らかになっていません。最近では、中国国内のSNSで、多くのブロガーが「中国に本当に14億人がいるのか?」と疑問を投げかけています。

 中国は2022年にゼロコロナ政策を終了して以降、都市部も農村部も活気を失っています。「これはパンデミックによる中国の人口激減がもたらした必然的な結果だ」と指摘するアナリストもいます。

 X(旧Twitter)の「真相传媒(シンソウデンバイ)」が公開した動画では、一人の女性が「今年の旧正月で最も耳にしたのは『アモイの人口が減った』という言葉だった」と語りました。また、ある男性は「今年、上海の人口はどんどん減っている」と発言し、別の男性は「2025年には武漢の人々はどこへ行ってしまったのか?」と疑問を呈しました。

(翻訳・藍彧)