最近、中国の複数の省でアフリカ豚熱(ASF)が発生し、養豚業者は埋却、消毒、飼育場の閉鎖といった対策を余儀なくされ、大きな損失を被っています。同時に、東南アジアの複数の国でも、アフリカ豚熱の流行が確認されており、一部の国では養豚場の半数近くが影響を受けています。
河南省開封市で、20年以上の養豚経験を持つ業者は、3月14日と15日に、緊急警告の動画を投稿し、業界関係者に対し、生物的安全対策を徹底するよう呼びかけました。また、最近多くの養豚場で「原因不明の病気」が発生しており、決して大げさな話ではなく、すでに多くの養豚業者が甚大な被害を受けていると警告しました。今回のウイルスは異常なほど強力で、豚が突然食欲を失い、その後急激に体温が低下して死亡します。母豚、肥育豚、子豚を問わず、すべての豚が感染の危機にさらされており、これはアフリカ豚熱の変異ウイルスである可能性が極めて高いとのことです。今すぐ防疫対策を取らなければ、深刻な事態を招くと訴えています。さらに、「数日前までは河南省、山東省、河北省、安徽省での発生しか聞いていなかったが、今では雲南省、貴州省、四川省にも感染が広がっている」と強調しました。
感染リスクを抑えるために、彼女は養豚業者に対し、厳格な防疫措置を取るよう求めました。具体的には、豚舎の入り口に消毒用の苛性ソーダ水(火碱水)を設置し、関係者以外の立ち入りや車両の出入りを一切禁止すること、また、飼料やその他の物資を搬入する際には、徹底した消毒を行うよう警告しました。彼女は「対策を怠れば、破産の危機に直面することになる」と述べ、状況の深刻さを訴えました。
ネット上では、アフリカ豚熱の感染拡大に関する議論が、ますます活発になっており、関連する投稿や動画が多くの関心を集めています。3月16日、山西省で25年以上の養豚経験を持つ専門業者の楊氏が、動画を投稿し、特に外部から子豚や母豚を購入した、養豚業者の間で感染が深刻化している状況を明かしました。彼の知人の中には、購入した子豚の死亡率が、50%を超えるケースもあり、ある養豚場では1000頭の子豚を購入したものの、現在生存しているのは、わずか200頭しかいないとのことです。中には、養豚場全体が壊滅したところもあります。彼は、「外部から子豚を購入する際には、必ずアフリカ豚熱の検査を行わなければならない。そうしなければ非常に高いリスクを伴う」と警鐘を鳴らしました。現在、多くの小規模養豚場が、アフリカ豚熱の影響で廃業を余儀なくされており、アフリカ豚熱が養豚業界における最大の脅威となっていると指摘しました。
3月16日、河南省のある養豚業者が投稿した内容によると、彼の農場では200頭の母豚が、アフリカ豚熱に感染し、5万元を投じて治療を試みたものの、2か月後には農場全体が壊滅したとのことです。彼は動画の中で、養豚業の厳しさを嘆きつつ、同業者に対して警戒を強めるよう呼びかけました。
3月15日には、ある大手養豚会社の責任者がオンラインで情報を共有し、現在のアフリカ豚熱の流行は、「爆発的な段階」に入っていると警告しました。南方でも北方でも状況は非常に深刻であり、これまでの防疫対策、例えば3日に1回ヨウ素を経口投与するといった、従来の手法では、もはや効果がないと指摘しました。
3月13日、畜産獣医の郭氏も動画で現状を報告し、アフリカ豚熱の感染拡大が、養豚業界に甚大な影響を与えていると説明しました。世界各地で大規模な発生が確認されており、中国の隣国であるマレーシア、韓国、ラオスなどでも感染が広がっています。彼によると、中国国内でもすでに複数の省が影響を受けており、2月末時点で、全国で合計63万1000頭の豚が処分されました。8つの省では封鎖措置が解除されたものの、新疆や河南などでは、依然として散発的な感染が報告されているとのことです。
香港でも今年1月、ある養豚場でアフリカ豚熱が発生し、緊急措置として、5800頭以上の豚が殺処分されました。
3月12日、河南省の養豚業者は、自身の養豚場でのアフリカ豚熱発生について動画で語りました。彼は、「今日で感染発生から7日目になり、いまだに感染処理を続けているが、被害は甚大だ」と述べました。また、「良心を持つ養豚業者として、私は絶対に感染した豚を市場に流通させることはしない」と強調し、アフリカ豚熱の感染スピードが極めて速いことを訴えました。彼が現在できることは、感染した豚を深く埋め、徹底的に消毒し、他の養豚場への感染拡大を防ぐことだけだと述べました。
ネット上では、多くの養豚業者が自らの農場の現状を動画で報告し、アフリカ豚熱の影響が広がり続けていることを示しています。現在のところ、アフリカ豚熱は豚にのみ感染し、人間への感染は確認されていません。しかし、感染した豚は急性発熱や臓器の出血、特に脾臓の大出血といった症状を示し、致死率が極めて高いため、養豚業界に深刻な打撃を与えています。
現在、市場には有効なワクチンや治療薬が存在せず、唯一の対策は、感染豚の徹底的な隔離、消毒、そして殺処分による防疫措置のみです。
感染が拡大し続ける中、養豚業者は最大限の警戒を払い、生物的安全対策を厳格に実施することが求められます。適切な防疫措置を取らなければ、感染リスクが高まり、取り返しのつかない壊滅的な損失を被る可能性があります。
(翻訳・吉原木子)