最近、中国ではインフルエンザの流行が拡大を続けており、重症患者が急増しています。特に「白肺(肺が白くなる)」と呼ばれる症状が確認されるケースも多く、一部の市民からは「今や新型コロナは日常の一部となり、風邪の症状が出たら感染を疑うべきだ」という声が上がっています。また、新型コロナウイルスが完全に収束したわけではなく、当局がその深刻さを意図的に過小評価しているのではないかと疑う意見もあります。

 一方、ノロウイルスの感染も各地で多発しており、ネット上では連日、「家族全員が嘔吐と下痢に苦しんでいる。ノロウイルスに注意が必要だ」といった話題が取り上げられています。多くの人が突然の激しい嘔吐や下痢に襲われ、その症状に悩まされています。

 広東省では、ある男性が「妻が公衆トイレを使用した後、ノロウイルスに感染した」と語りました。彼によると、妻は女性用トイレの行列が長かったため、清掃されていない和式トイレを使用したそうです。その際、マスクを着けずに数分間滞在した後、激しい嘔吐と下痢の症状を訴え、数時間後には夫自身も発熱し始めたといいます。

 広東省深セン市の疾病予防管理センターは先日、「現在、ノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行しており、2月12日から18日にかけて感染リスクが『低』から『中』に引き上げられた」と発表しました。また、上海市の疾病予防管理センターも公式SNSで「3月まではノロウイルスの流行が続き、現在も高い感染力を維持している」と注意を呼びかけています。

 ノロウイルスによる感染性胃腸炎は「冬季嘔吐病」とも呼ばれ、主な症状として嘔吐や下痢が挙げられます。そのほか、吐き気、腹痛、頭痛、発熱などが現れることもあり、重症化すると脱水症状を引き起こす恐れがあります。感染経路は多岐にわたり、感染者との直接接触、糞便や嘔吐物から発生するエアロゾルの吸入、ウイルスに汚染された食品や水の摂取などが主な要因です。特に、幼稚園、学校、高齢者施設など人が密集する場所では、ウイルスが短期間で広がり、大規模な集団感染を引き起こす可能性もあります。

 一方、A型インフルエンザの感染も深刻化しており、感染者の多くが全身の痛み、喉の痛み、痰が絡む症状を訴えています。「A型インフルエンザでICUに入院した」「10日間耐えたのに肺が真っ白になった」といった話題がSNSで拡散し、注目を集めています。

 ネット上では、ある女性が自身の感染体験を語った動画が話題となりました。彼女は「病院から帰ってきたばかりで、熱も咳も鼻水もないのに、ひたすら吐いて全身が痛い。髪の毛の先から爪の先まで痛む。本当に恐ろしいインフルエンザだ」と語っています。

 また、チベット自治区メトク県で働く四川省出身の男性は、「A型インフルエンザに感染すると異常な発汗があり、場合によっては性機能にも影響が出る」と証言しました。彼は旧正月の直前に感染し、約1か月にわたり発熱、咳、全身の痛みに苦しんだそうです。「特に咳がひどくなると肺に影響を及ぼすことがあり、最終的に『白肺』に至るケースも少なくない」と述べ、肺の健康管理の重要性を強調しました。「新型コロナの時も肺にダメージを受けるケースが多かった。免疫力が低い人ほど症状が重くなりやすい。幸い重症化は免れたが、それでも咳が続き、めまいや倦怠感に悩まされた」と振り返っています。

 彼は病院で、4日間連続で治療を受け、その間の治療費は1日あたり200元以上、合計で1,000元以上かかったと語りました。また、当局の公式発表に疑問を呈し、「政府は新型コロナを抑え込んだと言っているが、実際には感染が拡大しているのではないか。ただ名前を変えて『インフルエンザ』と呼んでいるだけではないか」と指摘しました。

 遼寧省営口市の陳さんも、同様の経験を語りました。彼女の同僚の母親は昨年9月初めに風邪を引き、検査の結果「白肺」が確認されて入院しました。入院から十数日が経っても病状は比較的安定しており、亡くなる数時間前までは特に異変もなかったそうです。しかし、突然容体が急変し、血圧が急激に低下。病院側が約30分間の蘇生措置を試みたものの、最終的には命を救えませんでした。亡くなる直前には両肺が完全に白くなっていたそうです。陳さんによると、彼女の同僚の母親は、その病院で白肺によって亡くなった4人目の患者だったとのことです。

 2月15日、中国のメディア関係者である呉玉燕さんがインフルエンザで亡くなったというニュースがネット上で大きな話題となりました。『新週刊』の公式アカウントが発表した追悼文によると、彼女は同誌の校閲部副主任を務めており、享年41歳でした。今年1月に突然インフルエンザを発症し、当初は市販の薬で症状を抑えようとしましたが、高熱が下がらず最終的に入院しました。

 入院から10日後、彼女はインフルエンザA型とB型の混合感染と診断され、病状が悪化してICU(集中治療室)に移されました。ICUに入ってから3日後、急速に容体が悪化し、さまざまな身体指標が急落。そのまま家族に最期の言葉を残す間もなく息を引き取りました。

 最近、「A型インフルエンザの回復後は入浴してはいけない」という話題がネット上で大きな議論を巻き起こしています。ある中国のメディアは、インフルエンザに感染して4日間お風呂に入らなかった女性が、回復を感じたため入浴し、さらに家の掃除をしようとしたところ、突然呼吸困難に陥り、手足に力が入らなくなったと報じました。彼女は「全身の力を振り絞って入浴したら息が切れて、手足がふらふらになった」と振り返り、「さっきまで普通だったのに急に喉が痛くなった」と当時の状況を語りました。

 この話題を受け、ネット上では多くのユーザーが自身の体験を投稿し、共感を示しています。「私も熱が下がった日にシャワーを浴びたら、その後激しい頭痛に襲われ、2日間苦しんだ」「最近、母がインフルエンザA型にかかり、看病していた私も感染してしまった。薬を2日間飲んで回復したと思ったが、昨夜お風呂に入ったら夜中に再び高熱が出て、全身が痛くて寒気が止まらなかった」「最初の2日間はベッドから起き上がる力もなく、高熱で意識が朦朧としていた。3日目になってようやく薬を買いに行けるほど回復したが、お風呂に入ったのは1週間後だった」などの声が寄せられています。

(翻訳・吉原木子)