12月20日は、マカオ主権移譲から25周年にあたります。中国共産党総書記の習近平氏は12月18日から20日までの3日間、マカオを訪問し、新政府の就任式を主宰します。この期間、マカオ当局は前例のない厳重な警備対策を講じており、無人機の飛行禁止、徹底した検査、さらにはメディアへの厳しい管理が行われています。これらの措置は広範な議論を呼び、市民の間で不満が高まっています。ネット上では、「経済がこんなに悪化しているのに、まだ国民を苦しめることばかりする。彼(習近平)が現れると、必ず何か良くないことが起こる」とのコメントが寄せられました。また、別のネットユーザーは、「中国人の生活は犬以下だ」と嘆き、この発言はネット上で大きな反響を呼びました。
香港メディアによると、習近平氏の訪問に備えて、香港・上環の港澳ターミナルでは警備が大幅に強化されました。乗客は目的地ごとに列を分けられ、マカオ行きの乗客は一人ひとり厳重な検査を受ける必要があります。税関職員は手作業で荷物や携行品を検査し、無人機などの機器の持ち込みは禁止されています。一方、マカオ外港ターミナルでは、盾を持った警察官が入国ホールで警戒にあたり、すべての旅行者の荷物を逐一チェックしています。水路だけでなく、香港、マカオ、珠海を結ぶ港珠澳大橋でも全面的な警備体制が敷かれています。
これらの警備措置に対し、市民からは大きな不満の声が上がっています。ネット上には多くの批判が寄せられ、「経済状況がこんなに悪いのに、国民を苦しめるだけのやり方ばかり。本当にうんざりする」「他国の指導者が外出する際、こんなに国民を巻き込むことはないのに、どうして彼はそんなに特別なの?」といった声が見られます。
マカオに限らず、現在の中国社会全体が抑圧的な空気に包まれています。高圧的な政策と経済の停滞という二重のプレッシャーの中で、一般市民は将来に希望を持てず、不安を抱えています。最近では、「人生如狗(人生は犬のようなもの)」というタイトルの動画がネット上で大きな話題となり、底辺層の民衆の無力感と怒りを深く映し出しています。この動画では、河南省の農村に住む女性が悲しげな表情で、《人生如狗》という文章を朗読し、農村出身の犬が騙され、搾取され、利用された挙句、捨てられるという悲惨な体験を描いています。
この物語はこう始まります。3年前、一匹の農村の犬がサーカス団長に連れられて街へやって来ました。団長はこう言いました。「街には肉があふれているんだ。お前が村で残り物の饅頭をかじるだけの日々とは違う!俺について来い。お前が努力すれば、3年もしないうちに山ほどの肉を稼げるようにしてやるよ。」家にいる年老いた犬や子犬たちに肉を食べさせたい一心で、犬は団長について街へ向かいました。
サーカスの訓練場には、ライオン、ゾウ、母グマ、サル、ヤギなどの動物たちがいて、楽しそうに訓練に励んでいました。しかし、団長が場内に入ると、それらの動物はすぐに頭を垂れました。団長がゾウに近づくと、その脚は震え、ライオンは団長を見ただけで全身から冷や汗を流しました。団長は犬に一握りの豆を渡し、「まずはこれで我慢しろ。技を覚えれば饅頭をやる。努力すれば、将来は毎日肉が食えるぞ!」と言いました。
犬は「家族全員に肉を食べさせる」という夢を叶えるために、苦しみに耐えながら訓練を続けました。睡眠時間を削り、危険を顧みずに必死に演技に取り組みました。英雄の役割も演じ、滑稽な役もこなしました。その結果、団長の財布は膨らみ、ますます豊かになりました。それでも団長は「お前の努力はまだ足りない」と言い、訓練の難易度をさらに上げ、犬を追い詰めました。
犬は、家族全員に肉を食べさせるという初志を胸に、一層懸命に訓練を続けました。年末が近づく中、犬は帰省を心待ちにしていました。しかし、最後の演技の日、団長はさらなる効果を追求して難度を引き上げ、こう甘い言葉で誘惑しました。「これを成功させたら、帰った時にたくさん肉をやる!」犬は歯を食いしばり、10メートル以上の高さの綱渡りに挑みましたが、難易度が高すぎて途中でバランスを崩し、地上に転落。重傷を負い、動けなくなりました。
しかし団長は犬を励ますどころか、「お前は役立たずだ!何をやってもダメで、食うだけは一人前だ!」と怒鳴りました。そしてゾウに命じて犬をサーカス場外に投げ捨て、「見ているだけで気分が悪い」と冷たく言い放ちました。瀕死の状態で地面に横たわる犬は失望のあまり泣き叫びました。「団長、団長、どうしてこんなひどい仕打ちをするんですか!功績はなくても苦労はしてきました。それに肉もまだもらっていません!」しかし団長は冷笑して答えました。「肉をよこせだと?恥を知れ!3年間も俺の食べ物や飲み物を奪っておいて、それでも報酬が足りないだと?細かく計算すれば、お前は俺に借りがある。お前はただの役立たずだ。それ以上口答えするなら、今すぐライオンに食わせてやる!」
氷点下の寒空の下、傷ついた体を引きずりながら犬は家に帰ろうとしました。「自分はただの犬だ。ただ年越しに家族と一緒に肉を食べることを夢見ていただけなのに、それすら叶わないのか」と思いました。結局、犬の「家族全員に肉を食べさせる」という夢は儚く消え、自身も帰り道で息絶えてしまいました。
この動画は多くの共感を呼び、視聴者の間で「泣けた」「心に響いた」というコメントが相次ぎました。さらに、「中国人は皆この犬のようなものだ。何のチャンスもない。」、「犬の物語を語っているように聞こえますが、その犬の姿に自分自身の影を見た気がします」、「よく考えてみると、もしかしたら外国の犬の方が、今の中国人よりも幸せなのかもしれません」といったコメントもあります。
(翻訳・吉原木子)